とある記事読んだ
「女子からの告白を信じたら人生が破綻するからやめろ」というセンセーショナルなタイトルの記事があった。内容は先に読まなくて良い。
恋愛の話かと思ったらそうじゃない。「任務分析」という作業、言い換えると「勝利条件をよく考えれば合理的に動けるよ」という話だ。
勝利条件とは
勝利条件というのはゲームをあまりしない人には馴染みがないかもしれないけれど、ゲームで「クリアした」「終了した」とみなされる条件の事だ。
例えばGood Job!というゲームでは、「仕事をする」のが目的なんだけど、具体的に「プロジェクターを所定の位置に置く」「Aの荷物をB地点に運ぶ」と仕事完了としてステージがクリアとなる。
この条件の部分が「勝利条件」である。
このゲームでの例えを続けると、「仕事をする」のが目的のゲームだからと言って、例えば職場の整理整頓をしたり、きれいに掃除したり、製品を全部組み立てたりしてもゲームは終了しない。クリアとならない。
職場の整理整頓や掃除が「仕事」じゃないとか、価値がないという意味じゃなく、少なくともこのゲームのこのステージにおいては、勝利条件に直接影響しない「意味のない事」なのである。
現実の勝利条件
実際の仕事においては、職場の整理整頓や掃除は「意味のある事」だ。
この違いはどこから来るかというと、現実の一般的な仕事の勝利条件は「より少ないコストで高い売り上げを上げ続ける」だからだ。つまり、勝利条件を満たすためには「効率よく作業する」が含まれ、そういう環境を作るためには一定の整理整頓や掃除が必要だから。
上のGood Jobというゲームでは、敢えてヘンテコな勝利条件を設けることで面白くしている。本来仕事は「低コスト/高収益の追求」なんだけど、とにかく「プロジェクターを運ぶ」という限定的な勝利条件を設定している。
これによって、プロジェクターさえ運べればいいので、デモにもあるとおり「壁をぶち抜いて運ぶ」などでもよいということになって、馬鹿馬鹿しさが加わって面白いわけだ。
でもこれ笑い事じゃないわけ。
現実の仕事で壁をぶち抜いたことがある。
制御盤が壊れそうなので交換するという仕事があった。この制御盤は制御盤を設置してから、制御盤を守るのと休憩所を兼ねた「電気室」を建設した。だから出口から制御盤は出せない。
まじめにやるなら、古い制御盤を電気室内で解体して運び出し、新しい制御盤の部品を運び込んで中で組み立てる方法がある。でも、手間も掛かるし、出来上がったものを持って来てホイっと交換するのと違って、解体組立に掛かる一週間くらいは制御盤がない状態になってしまう。
制御盤が使えないと機械が動かないから、工場が止まってしまう。
なので、制御盤は壁をぶち抜いて交換した。
いや正確には壁を解体してもらって、制御盤を交換し終わったら壁を作り直してもらった。壁を壊して作り直すと当然お金はかかるけど、工場を停める損に比べたらこっちのほうが安かったわけだ。
これは勝利条件が、「中期的に見て工場をなるべく停ない」と明確に定まっていたので、制御盤交換はその手段の一環であるとはっきりしていたから出来たことだ。これが明確になっていないと、
「制御盤を交換するのに壁を壊すなんて勿体ない。」
「壁を壊さずに交換する方法は無いのか→あるけれど停まる期間が・・・停めてやればいい」
「作り直した壁の見た目が悪くなる、雨漏りしたらどうする」
「そもそも壊れる前に交換する必要があるのか?」
などと迷走することになる。
こういう極端な例じゃなくても、例えば「職場の掃除」に滅茶苦茶無頓着な人が職場にいる。
机はクソ汚いし、ゴミ箱は溢れている。一番イラつくのが、プリンターで印刷を掛けて紙が切れているとき、コピー用紙を30枚くらい補充して残りをプリンターの傍にぶん投げとくことだ。
これも勝利条件の共有が・・・いや、めっちゃ長くなりそうだから別の記事にしとこう。
プライベートでも「勝利条件」の明確化は重要
とまぁ、そういうわけで仕事の上で「勝利条件」が何なのか考えて共有するって重要なわけだ。
でもこの考えを拡張していくと、自分の人生にも・・・本来は設定すべきだろう。
冒頭でも触れた記事に出てくる彼女も
「必成目標(長期)」「イケメンでお金持ちの家の彼氏をゲットする」
↓ 彼氏候補に接触するコネを多く作る
「必成目標(短期)」「別に要らんけど、桃野に第2ボタンをリクエストしてその気にさせる」
という風に、何を達成したいのかを整理して、達成に必要なもう一段回小さい目標は何か?を考えて行動している。これによって、より確実に、より短いルートで目標を達成している。
そこでふと、私の人生の勝利条件ってなんだろう・・・?
というか、「何にしたいんだろう?」と考え始めると、悩んでしまった・・・。