弁護士にはもっと早く相談すべきだった・・・

去年の12月に交通事故で車が全損になったわけだが、今週やっと弁護士に相談を始めた。

結論から言うと、もっと早く相談するべきだった・・・少なくとも今回の場合は。


なんで1.5か月も寝かしておいたのかというと、相手方の賠償金定時が無いと弁護士と具体的な相談をするのは難しいと考えたからだ。
というのも、弁護士の報酬(つまり料金)とは、①着手金+②成功報酬の2つの要素で構成される。ここで問題となるのが、②の成功報酬であり、この成功報酬とは「弁護士にお願いしたことによって得られた利益」の一定割合であることが一般的のようだ。

「弁護士にお願いしたことにより得られた利益」は終わってみないと分からないが、ある程度予想が付かないとやるかやらないかの判断すらできない。例えば極端な例を挙げると、成功報酬10%だとして、元の金額が100万円で、弁護士の働きにより102万円になったとすると、得られた利益は2万円で報酬は2千円としかならないわけだ。(ただし後述するが、これは私の誤解だ。)

弁護士介入後の金額はある程度予想を立てられるが、賠償金の提示額というのは相手側損保次第で全く不透明である。今回でいえば120~160万で決着したらいいな程度の案件であって、相手方損保が最初から120万円賠償しますよと言い出したら、得られそうな利益は0~40万円となり、大勝ちしても報酬は0~4万円となってしまう。

前述したとおり今回賠償額の提示があったことで、テーブルに着けるようになったという訳だ。


ここで訴訟において一番心配していたのは、事故車の保管をどうするかである。

ググってもらうと分かるが、一般的には全損となった場合でも車両は処分できない。示談や裁判が終了するまで、証拠として車を保管しておく必要があるとされる。

現状は修理工場に“好意”で置いてもらっている。これは修理するかもしれないし、下取りにして買替をしてくれるかもしれない、というサービスの一環であって、本来有料のものを負けてくれているに過ぎない。
修理できず処分するのであれば、○○日までに撤去して欲しい。それを超える場合は1日○○円の保管料を頂く。というような通告があれば受け入れなければならないし、撤去日は社会通念上認められる程度、つまり一週間前後の期間を切ってくる可能性があり、また保管料も周囲の賃貸駐車場+α程度を請求してくる可能性が非常に高い。

また、例えば盗難・悪戯・災害、それに例えばうちの車が自然発火して在庫車や店に被害があった場合、好意でおいているに過ぎない工場側に管理責任・賠償責任はないので、すべて私が被ることになる。

したがって訴訟するとなれば、工場から私の管理下にある保管場所に移して保管しなくてはならない。

余っている駐車場はあるのだが・・・ローダー(キャリアの一種)で車を下せる駐車場ではないから、そういう広い駐車場を探さねばならない。それに自走できないからレッカーの手配もいる。
移動させたらさせたで、社会通念上十分な管理責任を果たしていると思われる程度に見回りや、維持管理をしなくてはならない。

結構大変である。


ところが弁護士に相談した過程で帰り際にチラッと触れたら

「全損の場合は証拠保全は写真で足りるとみて良いと思います。相手方に処分を申し入れ、相手方が現車での証拠保全を要求するようなら、理由を確認したうえで正当な範囲を超えるとして争いに組み込んでよいと思われます。」

という。簡単に言えば、全損なら車を取っておかなくても被害額の算定に影響ないよねってこと。
そう言われてみればそうだな・・・。修理なら後々、本当に交換が必要な部品だったのか?などという話になりえるが、全損で確定しているなら全損か?全損じゃないか?の議論しかない。

ということで保険会社に打診したら、ちょっと揉めたが処分してもいいということになった。
今まで保管していた苦労は何だったんだ?


更に弁護士費用特約の約款を改めて確認すると、「弁護士にお願いしたことにより得られた利益」が125万円以下の場合、弁護士費用特約から支払われる着手金・報酬の上限というのは”固定”であった。

この辺を少し聞いてみたところ、弁護士費用特約を用いた訴訟の場合、行った作業時間を請求するという。この辺が個人で依頼する場合と異なるらしい。

例えば1時間1万円、A文書作成時間なら2時間、B文書作成時間なら3時間、というように、保険会社と取り決めがあって、A文書を作ったなら2万円を報酬として請求するらしい。これを積み上げて行って、最終的に上限までは請求できるというものだという。

この上限は「弁護士にお願いしたことにより得られた利益」の10%だとか決まっているのだが、前述のとおり125万円以下の場合は20万円、のように固定金額なので、仮に冒頭で上げたような極端な例(100→102万円)でも20万円だし、今回のように40→160万円だとしても20万円なんだと。

従って、寝かしておいた意味は無かったのだ・・・。単に修理工場に迷惑をかけ、私が悩ましい正月を過ごす羽目になっただけのことだった・・・。

無知とは恐ろしい。


あと、正式に委任すると変更できないので、触りの話は保険無しで相談した。

一般的に弁護士事務所は初回(30分)無料相談というのを設けている。
問い合わせをして、弁護士が話を聞いても良いかなと判断したら、30分だけ無料で相談に乗ってくれるというもの。

30分で背景を説明して、以降の進め方の判断をするアドバイスを貰うって、時間的に足りない!と、思ったけど、思ったより長かった。余裕過ぎた。

事故概要、合意事項、争議点(相手の主張、私の主張)をA4で1枚の紙にまとめて、あと補足資料でお互いの主張の根拠や計算の資料を持って行ったのが良かったかも。
5分も掛からず事件内容の共有が終わって、後は軽く補足したり争議点の妥当性について聞いたくらいで、10分あればだいたい伝わった。

なので複雑な事件でもなければ、30分の無料相談で十分だということが分かった。30分というのは、相談者にちゃんと準備をさせるための牽制なのかも。時間制限なかったらペーパー作らなかったかもしれないし、2時間くらい予定空けたかもしれない。予定空けてたのに10分で終わったら感情的に釈然としないだろうからね。

という訳で、「なるべく早く弁護士に相談!」って、商売っ気丸出しだと思ってたけど、そうじゃなくて、
・30分の無料相談で十分に相談できる。
・賠償額が小さい場合は弁護士報酬はほぼ一定(相手の提示額が出る前に相談しても変わらない)
・無料相談の範囲でも意外と参考になる。
というわけで、実際に相談したほうが良いようだった。

とりあえず勉強になったなぁ・・・。

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