リモートワーク(続き)

職場がリモートに否定的と思われるのは・・

私の勤務先では、コロナ騒ぎの最中は一時的なリモートワークが有り、その後もしばらくは交代でリモート勤務していた。
ただ、いまは完全出社になった。 リモートは絶対に認めない、という姿勢ではないが、特別の事情が無い限り認められないとのことで、私の知る限りリモートワークをできた人はいない。

典型的な古臭い硬直的な職場と断じるのは簡単だが、一方で私の職場に限って言えば致し方ないところはあると思う。

以前のコロナ直後のリモートワークだが、十分な機材が用意できなかったという事情もあるのか、まるで「休暇」のようにふるまう社員が散見された。信じられないような話だが。

私はシステム担当・・・というと聞こえがいいが、受電系統の設計から、コントローラのプログラムまで幅広く担当する仕事なので、常に出張してプログラムを書き換えたり調整したりできるよう、ノートパソコンで一通りの仕事ができるように備えている。 なので、リモートワークになったところで、場所が変わるだけで機材には困らない。せいぜいプリンタが無いくらいか。

ところが他の9割以上の社員は、基本的に手配師+CADオペのようなものなので、現地では”口”だけで仕事ができる。工場でも基本的にメール・電話・口の3つに、CADとプロッターで仕事をしているようなもの。だからモバイル環境は用意していなかった。

このため、急遽リモートワークになると困ったのだ。メール・電話・CADは持って帰れない。図面もA1かA2に印刷しないと“見にくい”から紙じゃないといけないという。

だから自宅で仕事をしろって言われても、何もできないから自宅待機・・・という感じだったらしい。

部長から聞いたエピソードでは、翌日リモートになっていた社員の電話応対が聞こえて「すみません、私明日休みなんですよ」と答えていて耳を疑ったという。
(今思うと、「リモートなんだけど実質何もできないので、実質休日と同じくらいしかこの種の仕事は進められないんです。」ということを省略して伝えたのかもしれないが・・・)

実際のところ仕事の能率はがた落ちだったそうだし、リモートワークに否定的なのはまぁしょうがない。

でもこれからどうすんのかってところで、イライラしている。

コロナ騒ぎは本当に2度とないのか

コロナが終わったんだから、
「もうリモートワーク必要ないじゃん。害だけで得るもの少ないよ。私は会社で仕事したいし、みんなもそうだろう?コロナなんて二度とないだろうし、リモートなんて忘れよう。」
みたいなことを平気で言うけど、それマジで言ってる?と思う。

まず、コロナは終わった。もう当面ないだろう?ってのが、ホントかオメー?と思う。 確かに、コロナは過去最大規模だった。中世のコレラ騒ぎくらいだろうから、確率的にはこの先十数年で同様の事態が生じる可能性は低い…というようなことを考えるのは私も分からんでもない。

でも俺はそりゃ怪しいと思う。まず、これまでも細かい感染症騒ぎってのはしょっちゅうあった。近代であればSARS,MARS、それに江戸時代・明治時代の資料によると、名前の無い疫病というのは頻繁に発生していた。 従って新しい感染症による混乱というのは十年単位で再発する可能性は低くない。

もちろん、SARSもMARSもロックダウンに至らなかった。だからコロナは特殊だろうというのは分かる。でも、ロックダウンに至った原因は本当にコロナウィルスの特性そのものにあったのか?

もしかすると社会的要因じゃないんだろうか。
中国を含めて主要先進国は20~30年前と比べて大幅に高齢化している。つまり新世界を除けば、高齢者の人数というのが爆増している。高齢者が多いってことは、同じウィルスだとしても致命的な状態になりやすいわけだし、感染しやすいわけだ。感染しやすいってことは他の人にも伝搬しやすいともいえる。 更に高齢者ほど(本来は)金持ちである。とすると、命の価格というのは上がる。従来であれば、「この程度で仕事を休んだら飯が食えねぇよ!」というものも「金より命っ!」にシフトするわけだろう。

そのほかにも住居の高層化とかいろんな社会要因が効いているのではないだろうか。

私は人が密集するのがいかんとか、年寄りが多いのが悪いとか、命より金だっていうのが悪いと言いたいわけではない。密集したほうが効率的だし、年寄りが多いって言うのは死ににくくなったということで、人類の目標に近づいているってことだ。

だから、その代償にパンデミックに対する社会の抵抗力が落ちているのであれば、容易にロックダウンできるようにロックダウンのコストを下げるってのが最適解であろうと考えるわけ。

もちろん、全員リモートってわけにはいかない。例えば配送の人だって、原理的には配達ロボットみたいなのを遠隔操作してリモートにできるかもしれないけど、そのコストやら莫大なものである。比較的低コストでリモート対応できる人をリモートにすることで、リモートにしたら仕事にならんような人が、仕事を続けられないくらい厳しいロックダウン状態になるのを防ぐべきである。

脱線したけど、だから「もうコロナみたいなことはそうそうねーよ」ってのは短絡的すぎんじゃないの?ってこと。

昔は家が建っていなかったような海っぺり/川っぺりに家を建てて津波/洪水の被害を受けた後、「以前この辺で水害があったのは1000年前だから、建て直してもまず次の被害は無いよ」って言っているようなもじゃないのか。この1000年前で状況は変わっていないのか?変わってるんじゃないのか。

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