ガレージの手動シャッターを電動に改造した

経緯

うちは1Fがガレージになっているんだけれど、電動なのはメインのオーバースライダーだけで、サブのシャッターは手動。
メインのガレージに2台停められるんだけど、ちょっと窮屈だからサブのシャッターのほうにヴィッツを停めている。

ここんところ引越しの準備のために新居と往来することが多いんだけれど、雨の日なんかは勝手口を開けるのが面倒くさい。勝手口は庇とかが無いからだ・・・、そうか。庇作ればよかったのか・・・。

とりあえず当初は庇という発想が無くて、シャッターを電動にしたいという一択で電動にした。

電動化をどうするか

手動シャッターを電動にする純正パーツもあるんだけれど、どうも調べた限りは10万円ちょいらしい。
更に純正パーツは基本的に工務店用のパーツなので、個人に売ってくれない。このため、取り付け工賃もさらにかかる。

シャッターも古いので新替えも考えたいところだが、なんだかんだで40万円くらいになるようだ。
今のシャッターもまだ使えるし、う~ん。

なんだかんだで、ちょっとWebサイトが胡散臭いが(失礼!)、スマートガレージという会社のスマートガレージKITを買ってみることにした。

ココの会社が良さそうだと思ったのは2点ある。

  • 安い。価格が明瞭。
    • 最初から一応DIY向けと謡ってるのもよい。
    • オプション含めて値段も細かく公開されている。
  • ほかのラインアップもあって、展開しやすい
    • 例えばうちはオーバースライダーとか、電動窓シャッターもあるんだけれど、これを同じリモコンで操作できるようにする改造キットとかも売られている。
    • 便利なら追加パーツを購入して家じゅう一個のリモコンでいけるようにできる。

あとは製造元が福井というのもポイントだった。

ちょうどタイムリーなんだけれど、仕事で福井県に工場を作って試運転に行っていた。

目の前に見えるのが九頭竜川とそれを渡河する北陸新幹線の橋梁。新幹線と並行して一般道の新しい橋梁も開通していて、この橋がカーナビにまだ登録されていなかった。

しばらく滞在したから、休日に歩いたりとかしたんだけれど、福井の住宅は押しなべて豪華だ。そして、窓シャッター率が高い。更にカーポート率が高く、ガレージがある場合が多い。
(カーポートも関東のものと違って、4柱でゴツイやつだ)

たぶん、雪が降るからシャッターが欲しいって言うのに加えて、北陸にありがちな世帯間同居や代襲率の高さで裕福、それでいて土地の安めで、家につぎ込める予算が大きいんだと思う。今回建てた工場も、普通はマシンハッチか機械扉にするところもシャッターだったし。
であれば、この地域ってシャッターの電動化に対するこだわりって強いんじゃないかと思った。

まぁ、あれです。例えばビールなら、日本のビールもいいけれど、本場ドイツのビールのほうがおいしいんじゃない?っていう程度の話だけど。エンジニア流本場の製品という判断というか・・・。

購入前準備

ここのスマートガレージは購入時に写真を撮らないといけないので、写真を撮った。
まず改造するも何も、シャッターを覆っている化粧カバーを外して中を調べる必要がある。

化粧カバーのネジが回らない箇所が2か所あって、錆で固着しちゃっているみたいなのでドリルで飛ばしたりと、まぁ事前準備にも手間が掛かった・・・

ご覧の通り、38年の歴史で錆錆である。ただ、シャフトは錆びているけれど、ほかの部分はこすったら落ちる油と埃がくっついたもので、意外と塗装はokだった。外が歩廊下になってて、雨が直接当たらないからかな?やっぱりこの建物のコンセプトデザインは秀逸だと思う。

しかし、取り付け動画なんかはみんなもっとキレイなので、これに取り付けて大丈夫だろうかと内心、少し心配になった。シャフトも・・・ノギスを忘れたので指金で測ったが、34か43かの2択のはずなのに、35mmくらいある気がする。錆のせいかな・・・。

ま、レッツトライ。

注文

最初は5万円くらいの認識だったけれど、そもそも定価が58,000円で、オプションのリモコンと消費税を加えてなんだかんだで7万円になった。まぁいいか・・・。

置き配にするつもりで新居を届け先にしたんだけれど、置き配が選択できなくて新居に受け取りに行くことに・・・しかし、ニアミスで受け取れず。しょっぱなから躓く。

・・・すぐに電話したら持ってきてくれた。すみません。

意外と小さい小包。

引越しも控えていて、時間も無いのでちゃっちゃと取り付ける。

まず部品に欠品が無いかなんかを調べて、どっこらしょと15時くらいからスタート。

16時に妻に送った状況写真・・・

このKITの取り付けの中で唯一やり直しがきかないのが、シャフトにモーターを固定する穴をあけるところ。プーリーから48.5mmと指定があり、ここがずれるとギアが上手く当たらなくなってしまう。

測るにしてもプーリーにもシャフトにも凹凸があるから、そんな0.5mm刻みの寸法を言われてもケガけない。

長孔にしたり、ずらしてあけなおせばいいんだろうけど、このシャフトでシャッターの重量を支えているという構造上、やたらめったら穴をあけるわけにもいかない。

というわけで、取説にあるとおり一旦仮組をしみて、穴の位置を確認したところだ。意外と場所が狭くて苦戦した。
そしてケガいた位置は合ってた。

あとは一回バラシて、穴をあけてモーターを付けるだけなんだけれど、まず穴あけに苦戦した。

KITにご丁寧に6mmのキリが付属してくるので、それで開けようとしたんだけれど、貫通するときにドリルがロックしてしまって回らない。いろいろ試行錯誤して、最終的に手持ちのホームセンターのHSSのドリルを使ったら一発だった・・・。
この付属のドリルってボール盤用のすくいが大きい奴じゃないのかな。目が悪くてよく見えんが・・・。

17時の進捗報告の状態。モーターはついたが、歯車がどうやってもつかん。

苦戦したのはシャフトの下にバー(左右のプーリーがずれないようにするバー?)があって、下からドリルが入れられないので、参考の取り付けと90度向きを変えて取り付けたせいもある。

この電動化キットは内場歯車をモーターのピニオンと、その反対側にあるカウンターピニオンの2点で突っ張る構造になってて、取説のように上下になるように取り付ければ両方のギアが見えるから楽なんだけれど、自分みたいに水平取り付けにすると奥側になる方が出てきて組み立てが難しくなる。

これ構造をよく考えたら、バーはシャッターの上げ下げに伴ってプーリーと一緒に回転するんだから、邪魔な位置にいるんだったらシャッターの下に5cmくらいのものを噛まして、閉端を微妙にずらしてやればよかったじゃん・・・。まぁ後の祭りである。

なんだかんだ苦戦しつつ、やっとこさメカニカルパーツが全部収まる位置に収まった。

あとは私は電気屋なので簡単。シャフトに通線してスイッチボックスを組み立てるだけ。
今回ちょっと間柱をまだ作ってなかったので、適当なところにスイッチを仮で留めた。

手前に移っている「シャッターが全開の時に引っ張り出す棒」もお役目御免である。

完成

さて、電気系統は一瞬で繋ぎ終わったが、果たしてこれで動くのだろうか・・・?
ボタンを押してみるとさも当然かのように巻き上がって感動した。

付属のリモコンキーは初期設定が必要のようで、取説を読みながら格闘。

このスマートガレージKITは単純に上がって下がるだけじゃなくて、電流から負荷を見て挟まり検知/ひっかり検知をする機能まである。アプリで電流のグラフが見れるので、スライダーをスワイプして閾値を調整できる。なかなかハイテクだし分かりやすい。

このノリでショックモニタとか作ったら売れるんじゃないだろうか。
(ショックモニタ:工場にある巨大なチェーンとかが引っかかってリンクがブチ切れるのを防ぐために、電流の跳ね上がりを検知して信号を出す制御盤の部品。原理は簡単なんだけど、設定調整が難解。→椿本TSM4000とか https://tt-net.tsubakimoto.co.jp/tecs/pdct/kds/pdct_TSM.asp?lang=jp

アプリからQRコードを使ってリモコンと本体をペアリングすると、リモコンも使えるようになった。

もーちょっと速いといいんだけどなぁ。
アプリを見回したけど、スピードを変える機能は無いみたいだ。まぁいいか。

しかし私も組み込み系出身だから多少わかるけど、このシステム作った人はかなりの手練れだな。

位置検出もやってるっぽいんだけれど、線が2本しかないのにどうやってるんだろう?三相モーターのベクトル制御みたいに、電流の変化でロータの位相を推定しているんだろうか?

まぁそれはさておき、これで帰ってきたら車からシャッターを開閉できる。
リモコンは車に積みっぱなしにして、徒歩で歩いてきたときもスマホから開けられるから、勝手口を開け閉めしなくてよい。

開閉の音も滅茶苦茶静かで、オーバースライダーより静かなのは当然のこと、手動で開閉するよりも静かだ。まぁ、ゆっくりだからかな。なかなか良い買い物をしたぞ。


記事を書くためにちょっと検索していたら、先人のサイトを見つけた。

長く使っていたら、モーターが脱落したり、軸が折損するトラブルが起きたようだ。

シャッターカバーに点検窓でもつけようかな・・・どっかに余りがあったような・・・

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