先日、義父宅にお邪魔してコーヒーを飲んでいた際・・・
近所に安いコーヒー豆の店を見つけて、そこから買った豆が安くて旨いという話になった。
でまぁ、お宅はどうなのって振られたので、「えぇと・・・うちは2kgで¥5,000くらいの安い豆使ってます。」
記憶が曖昧だったけど、購入履歴を見たらやっぱり五千円で2kgか・・・。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CZRJNJ8Q?ref_=ppx_hzsearch_conn_dt_b_fed_asin_title_1&th=1
え!特別美味しいわけじゃないのに、2kgで5千円もすんの!?
安くするために2kg単位で買ってるって?うっわー酸化するじゃん。
うちのコーヒーなんて、500gで1000円だから、2kgならえっと・・・4千円だよ。しかもこんなにおいしい。
ちょー無駄遣いじゃん。あほうらしー。うわー。
って、オイオイどっから出てきたよその女子高生みたいなテンション。
ちょっとイラっとしたけど、いや~そうなんですかぁ。こりゃあ不勉強だったな。ハハハ・・・と。
なんか俺の間隔ズレてたかな・・・?500gで1000円・・・?
まず酸化だけど・・・
まず、うちは豆で買って飲むときにミル挽きなんだけど、義父宅では面倒だからと粉買いである。
余ったミル要るか?って聞いたけど、面倒だから要らないってさ。
コーヒー豆は確かに経時変化で酸化して風味が落ち、最悪の場合は飲めなくなってしまう。
この時間は開封済みで入れ替わりのある空気に触れているか、完全に密閉されているか、真空や窒素充填のパックなどに入れて酸素をシャットアウトした状態なのかでまず大きく変わる。
完全密閉した状態で1~3か月くらい、適切に酸素をシャットアウトした状態だと、3か月から1年くらいはそこまで味が落ちない程度に抑えられると言われている。
更に、開封後は豆の状態か、粉の状態化で酸化のスピードが大きく異なる。
一説によると、粉の状態で約3~5日、豆の状態で1か月くらいで風味が悪くなり始める。
こういう背景があって、うちは粉から豆に切り替えて、なおかつ3か月くらいで使い切る量を注文している・・・というわけだ。
この酸化のスピードについては諸説あって具体的な日数が提示できないのが歯がゆいけど・・・
そもそも飲めないレベルに酸化したものを良い悪いって議論するケースは少なくて、どのくらい美味しいかの話なわけだ。
本当にコーヒーにこだわる人は挽いた豆を買い置きしないしから、粉の豆が何日くらいまでこのくらいの美味しさで飲めるっていう尺度と、豆の状態で保管して引いた豆がまだ美味しいかどうかって言う尺度が違う。
ただまぁ、挽いたら豆の状態の3倍くらいのスピードで悪くなるよってところは各種投稿で共通している。
コーヒー屋行ってみた
さて、安いと評判のコーヒー屋に行ってみたが・・・500g¥1,000の豆は無かった。
そりゃあそうだろうなぁ。
だいたい500gで1600円くらいが激安イランで、200gが800円~くらい。
そもそもカルディなんか見てみろって。200g単位の値段しか出てないけど、カルディで安いってレベルが¥1,200くらいで、高いものだと200gで¥2,000を超えるぞ。
その基準で見たら500g 1600円は既に激安である。
まったく、相場を知らないんだからなぁ…などと思いつつ、500g 1600円の豆を買ってきた。
500g1000円のコーヒー豆は存在しないのか
しかし、500g1000円の豆なんてあるわけないと思いつつ、何事もリサーチせねば。
まず、コーヒー豆の原価について調べた。
https://ecodb.net/commodity/group_coffee.html
豆自体は凡そ平均してアラビカ種で8USD/kg、ロブスタ種で4.5USD/kgくらいである。
アラビカ種とロブスタ種というのは、ざっくりいうとコーヒー豆の銘柄の違い。ロブスタ種のほうが栽培が容易な反面、アラビカ種の方が香りが良いとされていて、世界シェアを2分している。この2種類の中に細かい種類がある。米で言うと日本米とタイ米くらいのざっくりした分類のことである。
例えばセブンカフェとかはアラビカ種を使っているし、インスタントコーヒーなんかはロブスタ種を使ってる。
元々は両方ともアフリカ原産だが、現在ではアフリカでは主にロブスタ種、その他地域はアラビカ種が多い。
とはいえ、混在して作ってたりするので何とも言えない。ただまぁ、作りやすさの都合か単価には違いがある。
お義父さんのコーヒーは安い安いとは言っていたが、たぶんアラビカ種だったと思う。コーヒーを飲んで鑑定できるほど肥えていないが・・・
さて、円に換算すると、アラビカ種で1,182JPY/kg、ロブスタ種で665JPY/kgくらいであるから、高いほうのアラビカ種だったとしても輸送・焙煎のコストを0とすれば500gあたり1000円のコーヒーと言うのは存在できる。しかもこれは平均だから、高い銘柄/取引がある反面、安い銘柄/取引もあるはず。分布の広さが分からないが、それなりに広い分布を持ってそうだから、一般に流通しているものでも2~3割は安いものはありそうな気がする。
つまり、原料原価ベースで500円/500gあたりがベースラインか・・・
でも、製造原価は原料原価と大きく異なる。販管費が乗るからだ。業種によって比率は変わるんだけど、原料原価の2~3倍くらいは製造原価として掛かるケースが多い。となると、だいたい製造原価は1000円/500g~1500円/500gくらいは掛かってるはず。
実際にはここに利益も載せないといけないし、いろんな費用が掛かるからもっと高くなるはず。
従って安いコーヒーのラインは¥2,000/500gくらいだろう。
そう考えると、カルディのように立地代が高い小売店の小売価格が¥1,200/200g~だったり、安いコーヒー屋さんのコーヒー豆が¥1,600/500gであったりするのは、まぁおおむね妥当なところだろうと思う。
と、思ったがそもそも店の価格表ってあったりするのか?
と、調べたら広告を見つけて、それによると限定販売のコーヒーで500g 890円というのがあった。
https://www.tcc-coffee.com/images/pdf/toyama202501031.jpg
限定商品ではあるが、毎日200~300袋作っているというから、そこまで希少なものではなく、実際に入手できる程度の希少性だろう。
確かにこれは安いなぁ。
お義父さんが買ったのはこれのことかもしれない。定年後だから好きな時間に行くんだろうし、限定商品がまだ一杯ある状態で来店していてもおかしくない。
特売とはいえ計算をひっくり返してくる。
ブランドとあるから、ロブスタ種とかを混ぜるとか工夫しているのかな・・・。
ロブスタ種は安いって言うけど、まずいってわけじゃない。アイスコーヒーとかはむしろロブスタ種の方がおいしい・・・と、言われている。
ブレンドなどでは味の調整のために入れるのは普通のことらしい。
しかし、会社のコーヒーまずいなぁ。