八重洲口の再開発って何なのか

http://curo5170.s1008.xrea.com/x/20231002_post-951/

で触れた迂回しないといけない八重洲口正面の再開発地区。実は何の再開発なのかすぐ情報が出てこず、結構探した。

サイトのurlどっかいっちゃったけど、建設中のビルはコレ。

hub八重洲店は上の図の赤丸の位置だ。

ところがこれが分かって、ブログに書いておこうかなと下書きしていたんだけれど、最近事故が発生して有名になってしまった。
というか、ホームページが事故の謝罪に関するpdfにリダイレクトされるようになってしまって、再開発ビルに関する公式な情報が分からないようになってしまった。

https://office.tatemono.com/yaesupj/

非公式であれば、5月時点でちゃんとまとめてくれていたサイトがあったので、リンクを貼っておく。

しかし、裏側は立派だけど、東京駅側はとんでもない虫食いビルだな・・・
東京駅の目の前ということをアピールしたかったら、東京駅側からみたパースをトップに持ってきそうだけれど、東京駅が自ビルの影になっている上の絵がメインなのだ。きっと裏側は凸凹なんだろうな。

また、完成予定は2025年3月31となっていたけれども、事故の影響で遅れるんだろうなぁ・・・当面通行止めは続きそうである。

改めて検索したけれど、事故についてはあまり詳しいことはまだ公開されてい無いよう。
落下した鉄骨が15トンだったり80トンだったり、挙句の果てはテレビなどでは鉄骨の上に5人並んだ状態のイラストのようなデマに類するものが流布されていたりと、やっぱりテレビとか新聞も適当やねという具合である。

あ、でもこのnhkの記事とかは結構よくまとまっているな・・・


事故によって建設も情報公開も止まってしまったのだけれども・・・私の関心としては
①いつ完成するのか?
②1Fは通り抜けできるのだろうか?
③こんなにオフィスビルを建ててペイできるのだろうか?

この3つかなぁ。


①のいつ完成するか?は言い換えると、どのくらい遅れるのか?ということである。
幸運にも私の関わった現場では人身事故が発生したことが無いので、ちょっとわからない。まぁ、そもそもこんなに大きい建設工事は関わったことが無いし。

あてずっぽうだけど、1年くらいは遅れてしまうのではないだろうか?仮に人が亡くなっていなくても、落っこちた梁を拾って付けなおすってわけにはいかないだろう。再製作か工場検査は必要だ。
また、梁の落下した3Fの床についても設計で想定した荷重を超えた力を受けただろうから、どこまで修理しないといけないのか調べないといけない。
これらを調べて、協議持して、実施して~で半年はかかるのではないだろうか?

さらに安全管理、つまりどういう手順で施工するかとかっていう内容も強化されて、「え、いちいちそんなことしていたら仕事進まないよ」っていう手順が追加されたりして、作業の進捗が落ちると思う。対象は鉄骨建て方だけだろうから、全工程に影響するわけじゃないと思うけど、半年分くらいは遅れるんじゃないかな・・・。


②1Fは通り抜けできるんだろうか?

できそう。
国交省の資料に外観図が乗っているので抜粋。
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001379781.pdf

元の絵の解像度が非常に悪いのだが・・・バスターミナルのタの上に白い四角がある。4文字の文字が入っているようで、下行は「通路」に見える。上行は「連絡」かと思ったんだけど、びみょーに字が違うような。「貫通」?とにかく通路になっているようだ。

この通路の向きが良く分かんないけど、黄色で示すバスターミナルの斜路の入口左に潰れが文字がある。たぶん、「重洲通り」だと思うんだよね。「八」が切れているんじゃないだろうか。
とすれば、この図の奥が東京駅だから、この通路を出たところあたりがちょうどHUB八重洲のあたりになるはずだ。


③のこんなにオフィスビルを建ててペイできるのだろうか?というのが非常に謎。
この八重洲の再開発の前に、いまのダイマルの上の部分とか、東京グランルーフといった東京駅にくっついた部分をだいぶオフィスビルにしている。
またそもそもサピアタワーとかもある。

さらに大手町川には東京トーチタワーの建設計画があって、「東京駅 再開発」でググるとまずそっちが出るほどのビックプロジェクトである。

コンセプトイメージを見ると、マジでぶっ飛んでるデザインで、「え?これ本当に作るの?作れるの?」っていうくらい凄い。
日本橋口にできるとあるが、大手町駅の真上あたりか・・・そういえばパソナかリクルートか、なんか派遣系のビルを壊していたな。

こういったオフィス供給がある中、そこまでしてオフィスの需要があるのだろうか?とやや疑問である。

だが、一方で例えば日本橋口に前からあるサピアタワーだけれども、探した限りは空室が無い。14F,15Fに募集があったような情報はあるものの、36Fまであるのに他のフロアの募集っぽい情報が見当たらない。あ、27Fから上はホテルか・・・とはいえ、14~26Fくらいはオフィスのはずだが、あんまり空いてい無い様だ。

なので、いまのところ東京駅近接ぐらいの超近場のオフィスは不足気味ではあるようだ。どこまで不足しているか分からないが・・・。

ちなみに需要が供給を下回らないという前提で考えてみよう。
八重洲の公示地価は1平方メートル当たり1,164万円!!で、この再開発事業の敷地面積は10,604平米なので、12,343,056万円・・・つまり地価はだいたい1,234億円。建設費はどっかに2,000億円ちょいとあったから、このビルに新品価格を付けるとすると、ざっくり3,500億円程度かと思う。
とすると、表面利回り10%を得るには、年間350億円の利益が必要。
公共部を除く延べ床面積が186,500平米だとあるから、これ全部オフィスだとざっくり仮定すると、1平米あたり年19万円の利益を上げる必要があるってことになる。これを月割りにすると…15,638円か。

八重洲のオフィスの単価って高くても4万円くらいみたい。しかもこれ坪単価だから3.3平米の単価である。つまり平米あたり1.2万円にしかならない。

だからぱっと見、ぼろ儲けってわけじゃないが、商売として成り立ちそうかなって所に来る。新築&東京駅向かいということで八重洲全体の相場の1.3倍というのは、あり得ない話でもないだろうし・・・テナント部などはオフィスより単価が高いという。また、表面利回り10%というのはあくまで経費を引いたうえで投資として旨味のある利益が残る利回りがこんなもんじゃない?というだけで、全く根拠のない数字である。インフレとか土地の値上がりの期待値などもある。もしかすると7~8%で十分OKかもしれず、となると従前の賃料でも問題ないかもしれないということになる。

ビジネスの世界は深いなぁ。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする