堀正工業の粉飾

帝国データバンクの記事は時々書き換えられて、結果としてRSSに新着として掲載されることが良くある。

8/7掲載のホリマサシティーファームの倒産を報じる記事もその一つで、10/12に何か書き替えられたようだ。

記事を読んでもらっても良いが、総括すると
①決算書(1年間の損得とか、持っている資産と借金をまとめたもの)を偽造
②その偽造した決算書で銀行からお金を借りる
③銀行から借りたお金をゴマ化した決算書を作って、別の銀行から借りる
④これを52銀行分繰り返した。

というもの。つまり、実体は借金>>資産であり赤字になっていることをごまかして、資産あるよーオタク以外からは少ししか借りていないよー利益出てるよー、という決算書を銀行の数だけ偽造して、各々から大金を借りたという訳である。

この決算書の偽造を粉飾といい、粉飾がばれたため借金の一括返済を求められ、可能な限り返済したが・・・足りないお金が283億円あり、倒産したというもの。

「足りないお金」が、「283億円」ですよ。なんだそりゃ。

例えば記憶に新しい、日産の社長カルロス・ゴーン氏がやらかした金額と比べてみる。
・会社のお金を自分の口座に移したり、損失補填をしたお金:18億円
・受け取った報酬を隠して脱税したお金:50億円

もう283億円って桁ちがいですよ。

もちろん、自分のポッケに入れたゴーン氏と、実際のところ事業の穴埋めに使ったであろう堀正工業を単純に比較はできないものの、タワマンや別荘を買ったりと相当私的に散在した可能性があると報じられている。


中身についてはこの東京商工リサーチの記事にまとめられている。

こういう事件を見ると、私が思うのは「結局どうするつもりだったんだろう」ということである。

例えば冒頭で例に挙げたゴーン氏の横領(疑惑だが、ここではあったと仮定する)だが、これは私も理解できる。この横領は架空の損失へ支払いを行った体で、自分の口座に移した・・・つまり会社の備品を壊しちゃったと言って自宅に持って帰って使う、一種の泥棒のようなものである。

会社側からすると損失が発生したという事実はもう以降変わらないから追求しない。損失が発生したというところだけ信じ込ませることができ、後日遡ってひっくり返されなければ発覚する恐れも無い。

また、ゴーン氏は海外出身であり、仮に日本で罪を追及されたとしても海外に戻っちゃえば逃げ切れる。
誤算としては思いのほか追及が厳しかった(ゴーン氏にとってはたかが数億円だったのだろう)ので、予想外のダメージを負いつつ逃げる羽目になったことか・・・しかしやはり予想外だったのだろう。

一方でこの粉飾って似てるけどちょっと違うよねと。
一攫千金で海外に高飛びするために、銀行をうまいこといってだましてお金を手に入れるならわかる。

しかし会社を存続させるために銀行を騙して融資を受けるというのは理解できない。だって、返さないといけないから。利益が出ているのなら借りられさえすれば、長い時間を掛けて返していくことができるかもしれないけれど、2003年は赤字で、2022年も年間7000万円の赤字が出ているような青木吐息の事業だったという。

それを銀行を騙すために7億円の利益があったかのように粉飾して、そのおかげで本来払わなくてよかった法人税を2億6千万円も払っているという。ただでさえ赤字なのに、税金に金利に出費ばかり増えて行って、もう全く続けられる見込みがないではないか。

これがもし製鉄業や製油業などのように、原料在庫が多く為替の影響で時に予想外に利益が膨らむ可能性のある事業だったり、不動産業のように長期でインフレの影響を受ける事業だったり、あとはゲーム開発とかで一発逆転の新製品が生まれる可能性がある事業なら、リスクを負ってだまして事業を存続させ、うまくいったときに帳尻を合わせて逃げるという方法も考える。

でも、ベアリングの卸売業でそれは無理じゃないのか・・・?もう十数年後に倒産して社会的にボコボコにされる可能性100%に近いよね。

このように、第三者的な視点で見ると、粉飾せずに会社をたたんで清算したほうが、資産が残ったんじゃないだろうか?粉飾というリスクを取ることで会社が持ち直すなどの利得を得られる可能性は一体如何ほどあったのだろうか?と疑問である。

あ・・・それでベンチャーとか新事業に注力してたのかな。

ただ、このとおり悪いことをする、経済的な迷惑をかける人間は、訳の分からんことをするということを肝に銘じなくてはならないと思う。頭が良いとか悪いとか、計算できる出来ないの問題じゃなく、サイコパスのように一般人には理解できないロジックで動いているんだろう・・・。

投資や資産運用というのはただただ難しいと思う。


ってそういえば、すっかり忘れていたけど、粉飾っていえばSH東雲堂(広島でよく見かけた フタバ書店 を経営していた会社)の粉飾倒産200億円ってのもあったなぁ・・・。

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