4日目
資源の採掘スピードが速くなってきた。
資源を掘る→資源を掘る機械を作る→資源を掘る量を増やす
というようなループになるので、指数関数的に生産速度が増えていく。これが面白いところ。
現実もこれに近いようなところがある。例えばコンピュータが生まれてからまだ半世紀だが、コンピュータが生まれたことで、コンピュータを作る機械の設計や、コンピュータ自体の設計が加速して、爆発的に普及したわけだ。
我々は当たり前のようにスマホを使っているけれど、50年前はそんなものなかったわけだ。
当時登場した画期的なコンピュータは、要は「電卓」だったのだ。それまで手計算や計算尺(計算尺ってもう知らない世代多いだろうな・・・シャクだぞシャク)で計算していたものが、この電卓の登場で圧倒的に高速になったわけだ。
これが「関数電卓」になって複雑な計算ができるようになり、原始的なプログラムを読み込んでいろんな経理処理や物理演算ができるようになっていったわけだ。
コンピュータの脳みそであるCPUの黎明期のものとして、インテル8086があるのだが・・・これの内部回路図は“紙”でチェックしたそうだ。製図台で手書きした紙を何枚も繋ぎ合わせ、会議室の床一面に広がった回路図を、人が乗って追いかけてチェックしたという。(これはビジコンとインテルの伝記で呼んだ。)
それが段々グラフィックやら何やらが出てきて、コンピュータ上で拡大縮小をやりながら、複写も容易となりどんどん効率が良くなっていた。そのうちネットワークよにって…というように、「何かを作る装置/仕組み」が、自分自身も改良するようになるわけだ。
このFactrioではそれが体験できる。とりあえず採掘設備が増強されたので、製造設備を揃えられるようになった。この製造設備で採掘設備を作るので、採掘設備がさらに増強される。
すると、資源に余裕が出てきて、もっと研究を進められるようになる。このため、研究設備を増設した。
更に、以前は送電線やベルトコンベヤが貴重だったため、それらの量が最小限で済むように、研究設備を発電設備の側に設けていたが・・・それらの装置が貴重でもなんでもなくなったので、ラインが組みやすいように資源の側に研究設備を移した。
研究が進むとより高性能な機械が作れるようになるが、機械を作るためにプラスチックが必要になる。
そこで油田を探して石油を掘り始める。
石油はそのままだと利用できないので、精製設備で燃やして石油ガス(ナフサ)を抽出する。
4日目
研究を進めていくとこれもまた指数関数的に研究に必要な資源が増えていく。
研究に必要な資源を作るためにも基盤が必要なので、基板をガンガン作る生産ラインを作る。
更に、必要な電力も爆増する。発電設備を増強するのはそう難しいことでは無いのだが、燃料の石炭を物凄い勢いで食っていくのが頭を痛め始める。というのも、資源は有限で、いま掘っている鉱脈はそのうち尽きるのである。
尽きても別の鉱脈を探して、そっちから運んで来ればよいのだが・・・しかし、遠くから運んでくるのは、ベルトコンベヤでは現実的ではないので、列車などの輸送機関が必要になる。それらを作るのにも、運用するにも資源が必要で、そのためにも燃料が要る。つまり、燃料となる資源が尽きたらある意味では最初からやり直した。
最初は電気が無かったから、元に戻るだけなんだけど・・・電気ありきの設備になっているから。
そこでソーラーパネルを作り始めた。
この世界は昼と夜があって、当たり前だけどソーラーパネルは夜発電しない。研究が進むと、充電電池設備を作れるようになって、電気をためて置けるようになるけれど、それは終盤である。
とりあえず、当面は夜間は火力発電に100%頼るが、日中はソーラーパネルを使って火力発電の燃料をケチろうという作戦である。
一方で、いままで金属精錬に石炭を使う炉を使っていたが・・・エネルギー効率やハンドリングの都合で電気炉に切り替えた。これも石炭節約のためである。
更に、これまで鉄・銅・錫と金属ごとに精錬設備を作っていたが、この3種類の金属は常に一定量必要なのではなく、結構変動がある。(その時作っている設備による)
このため、遊んでいる炉が多くて待機電力も馬鹿にならないので、一か所に集約した。
左から鉱石が入って、精錬されて右に流れていく。右に流れる過程で、材質ごとに分離する仕組みを作った。
更に、右で精錬されたものが十分な数あるかどうかで、左の鉱石をせき止めたりするようにした。
これによって、常にストックが少なくなったものがフルパワーで製造されるようになった。
更に将来のために原子力発電所の準備を始めた。
遠方からウラン鉱石を掘ってきて、ウランを分離する。燃料には一定数のウラン235が必要なのだが、ウランは殆どが238であり、235は非常に稀な成分なので大量の鉱石を掘ってきて選り分ける必要がある。
これに恐らく時間が掛かろうというわけだ・・・。
というか、現実世界はもうすぐ核融合発電が実用化されようというところに来ているのに、ゲーム内には原子力(=核分裂発電)の設備しか存在しない。現実がゲームを追い越そうとしている。
まぁ、このゲーム上では不毛な惑星の表面って設定で、原子炉の一番の問題である放射能が問題にならないから、敢えて難しい核融合炉を作るメリットが殆どないのかもしれない・・・。
5日目
とりあえず原子炉を作った。
6日目
とりあえず濃縮設備と燃料棒を作る設備を作った。
7日目
気が付いたらいつの間にか設備がエライ複雑になっていた。右上に移っている池で相対関係が分かるだろうか?
7日目(左)と序盤の2日目(右)を見比べるとだいぶ違うけど、初期に配置したラインの面影があるのが面白い。
原子力発電所は真ん中にした。炉心一個で最大40MWの熱を発生させられる。これが4個あるから最大出力160MWの発電所になる予定。
いまのところ需要は10MWくらいしかないから、炉心3個は休止している。ボイラーもタービンも10MW分しか置いていない。
順調に時間当たりの生産量が増えていくが・・・掘る量が増えると資源の枯渇が問題となってくる。
まず真っ先に鉄鉱石が切れたので、遠方の鉱脈に掘りに行く必要が生じた。遠いのでレールを敷いで列車を走らせる。
列車が入ってくるとまた面白くなってくる。
列車は“駅”を配置して、自動運転で駅と駅を往復させることができる。なので、うまく列車を設定したら、自動的に遠方の鉱山で鉱石を積み、設備に持ってきて荷下ろしするを繰り返させることができる。
列車は駅を回る順番と、発車条件を設定できる。例えば鉱山側では「貨車が満車になったら」発車、生産設備側では「貨車が空になったら発車」という具合にである。
ちなみに、自動運転列車は他の列車を全く考慮せずに走行するので、線路がクロスしていたり、路線を共有していたりすると激突して大破・消失する。なので、プレイヤー側で自動運転列車が激突しない様に考える必要がある。
考えると言っても簡単で、現実の列車と同じように「閉塞(へいそく)」という考え方を持ちこんで、信号機を設置して、同一閉塞に2台の列車が入らないようにするだけである。閉塞というのは、線路の一定の区間のことで、閉塞の両端つまり隣の閉塞との区切りに信号機を設ける。
閉塞区間に列車がいると、その閉塞に侵入しようとする方向の信号機が「赤」になって、侵入を禁止する。これによって列車が激突しないようにする考え方だ。歴史では列車の衝突事故というのは非常に多く、これを避けるためタブレット式とかいろんな方法が考えられてきて、現代代ではこの閉塞式が一般的となっている。ATSという最新の列車安全設備も、基本的は閉塞式で、機能は信号が赤の区間に誤って侵入した列車を強制停止する、赤の区間に近づくと強制的に減速する、という考えが基本である。
ちなみに、プレイヤーも列車に衝突する。言い換えると轢かれる。轢かれるととほぼ即死する。なので線路を渡るときは、自動運転列車が接近していないかちゃんと確認する必要があるのだ・・・。踏切みたいな装置があれば良いのだが、自分で工夫して作るしかないのだ。
(つづく)