定期的に繰り返している悩み。それはiPadを買い替えるかどうか。
私のiPad歴は、秋葉で買ったiPad Air 2が初めてで、そのあと買い替えたiPad Pro 9.7(初代)をずっと使っている。
もともとペーパーレスとかデジタルに強い興味があったので、いくつかタブレットを使ってきた。確かLenovoのウィンドウズタブレットとか、docomoが安価で提供しているAndroidタブレットとか。
でも、iPhoneを持つようになった時、なるほどiOSにはWindowsやAndroidにない「使いやすさ」があるなと感じてiPadを使うようになった。なんというか、若干の自由を手放すことで、細かいストレスから解放されるというか・・・
買い替えるか悩む動機
実は今使っているiPad Proにはあまり不満はない。薄くて軽いし、若干値は張ったがストレージは128GBで、結構ぜいたくに使っているがまだ多少余裕がある。値が張ったとはいえ型落ち中古だから5万円もしなかった。だから、あんまり買い替えようという動機は無いのだが・・・
ただ、毎度この買い替えようかを考えてしまうポイントの一つが、Apple pencilなのである。
そもそもAir 2からProに買い替えたのは、このApple Pencilが使えるかどうかだったのだ。
というのも、iPadの主な用途は図面や資料のチェックで、書き込みを要する物に使っている。見るだけだったらパソコンのモニターのほうが広いし簡単だから。
パソコンでも書き込みはできるのだが、デジタルな媒体にペンでパパっと書き込めるのは、結構よいものだ。
このとき、いまは安価なタッチペンを使っている。
いろいろ使ってみたが、このMEKOっていうメーカーのタッチペンが一番良い。いや、一番じゃないんだけど、五千円代のタッチペンとほぼ同じ書き味で、一本600円くらいなのだ。
じゃあ何が不満かというと、不満なポイントは3つある。
①若干安定しない(線が途切れたりする)
②パームリジェクションが使えない
③手書き入力できない
①の若干安定しないというのは、この手の安価なタッチペンというのは、原理的に単に指を延長したに過ぎないので、タッチが不安定になりがちということだ。
iPadなどの静電容量式と呼ばれるタッチパネルが、タッチを検出する原理は、ガラスの裏側に静電気を検知するセンサーが張り巡らされていて、人間が触ったときに指が触っているところのガラスにたまっている静電気が変化することを利用している。だから、人間のように電気が流れるもの以外が触れても反応しない。例えば一般的な手袋は電気を通さないので、手袋をしたままタッチしても反応しない。
手袋と同様に、単なるプラスチック棒とか、鉄の棒、或いはボールペン等をペン代わりに使ってタッチしても反応しない。人間っぽい静電気の流れ方にならないからだ。
一方で、このタッチペンは先っぽに導電性のゴムとプラスチックの円盤を配置して、うまいこと人が触ったのに近い導電具合を再現しているのでタッチできる。が、指ではないので面積が不足していて、それを補うために一定の面積が必要だったりする。指みたいに太いタッチペンを使えばいいのだが、これでは文字や絵が描きにくいのだ(上手く説明できないが・・・)。
このMEKOのタッチペンは、面積を大きくしつつペン先が隠れないようにするため、透明な円盤を設けるなど工夫している。だが、それでも人が指で触るのに比べて若干安定しない。画面の汚れなどにも弱い。
一方で、ApplePencilの場合は、ペンから信号を発していて、単純な静電容量式と違う原理でタッチ位置を検出している。検出しているというか、ApplePencilとiPadでお互い示し合わせてタッチ位置を伝えているのだ。だから、原理的にも安定する。
ここで②に繋がるのだが、ApplePencilの場合はパームリジェクションという機能が使える。パーム(手のひら)リジェクション(無効化)である。
文字を書き込むときは、手首を安定させるために手を置くと思う。これをiPadでやると、手を置いたこともタッチとして検出されてしまう。だから前述のペンを使う時は画面に手を置いてはいけない。(静電容量式の弱点を逆手に取って、手袋するって手はあるね)
まぁ、いまは簡単な方法として、書き込む位置を右下にスクロールして、手を画面の外において使っている。デジタルなんだから、書き込むところに手が行くんじゃなくて、手のところに書き込み位置を持ってきたらエエヤンという発想。
でも、ホンネは画面をずらさずに今すぐパッと書きたいのよね・・・。
で前置きが長くなったけど、③の「手書きできない」がいつも回避策が無くて、買い替えようかなってなる。
手書きというのは、ペンで文字を書き込むと、iPadが勝手にテキストに変換してくれる機能がある。これはApplePencilでしか使えないのだ・・・原理的には指とかタッチペンでもできそうだけど、販売戦略の都合なのか、何らかの見えないテクノロジーが使用されているのか、ApplePencilじゃないと使えない。
まぁ、紙だと思ってタッチペンで書き込んでいるのも悪くはないんだけど・・・ちゃんとした文字にできたらいいなぁという時が良くある。
もともと字が綺麗な方じゃないけれど、タッチペンで書くから余計に汚くなるし・・・あと、①が関連してきて、例えば点々が書きにくい。チョンチョンチョンだと、全部反応しない場合が多くい。例えば「電」気の「雨」部分の点とか。点だと歯抜けになったりして書き直したりが多くなるから、いまはもうこれ繋げちゃう。Nみたいに。すると余計乱雑に字を書いているように見えてしまう。
だから、手書き機能が使いたい。でも毎度調べるがApplePencil必須なのだ・・・
実は今のiPad Pro 9.7でもApplePencilは使える・・・
だが、う~ん、私はApple Pencil(2代目)が使いたいのだ。
ところでいきなりApple批判だが、Apple製品がクソ面倒になっているのは、「代目」というワードだ。
iPhoneみたいにiPhone8だとか、iPnohe12だとかって言ってくれればいいのに、iPad系の製品はモデルが異なって違う製品でも、同じ系列のものは全部同じ名前で呼ぶ。このため、モデルが違うことを表現するために「○代目」と呼ぶ。
くだんのApplePencilは1度代替わりしていて、今は1代目と2代目が存在する。
同じような見た目で両方ともApplePencilなのだが、組み合わせられるiPadが違う。というか、iPadによって組み合わせられるApplePencilの「代目」が異なるということだ。
私が使っているiPad Pro 9.7はApple Pencil(1代目)しか組み合わせられない。
しかというか、調べた限りは1代目と2代目の両方のApple Pencilが使えるiPadは無い。新しいiPadでは古いApplePencilは使えないのだ。
つまり、1代目/2代目って言っているし、見た目も似ているけれど、全くの別物だと考えたほうが良い。
ちなみに、iPad Proのモデルはペンシルの比ではないほどひどい。
iPad Proにはモデル名に画面サイズが入っていて、9.7 iPad Pro(初代)と、10.2 iPad Pro(初代)は別物である。また、最新型は12.9 iPad Pro(6代目)と11 iPad Pro(4代目)である。ややこしい。
このほかのiPadで単純にiPadというものと、iPad mini、iPad Airというのもあるが、これらは世代間で画面サイズが異なっても、通しで○世代となっている。
ApplePencilの話に戻ると・・・
実は数年前ApplePencil(初代)を買った。しかし使いにくくてちょっと放置したらバッテリーが死んで使えなくなってしまった。実質2週間くらいしか使わずに、1万円がゴミになった。とても悔しい。(・・・と言いつつ、実は修理したくて購入元を探したんだけど見つかんなくて、これ何かのついでに秋葉の中古屋で半額くらいで買ったんじゃなかったっけかな・・・。)
そもそも、ApplePencil(初代)はApple Pencil(2代目)と見比べると、いろいろイケてないのだ。
まず、長すぎてなんか軸もしょぼい。調べてみたら数値上の長さの違いはたったの1cmなんだけど、丸くてツルツルした表面が安くてダサく感じるのかもしれない。
或いは初代のほうはペン先と反対側がキャップになっていて、充電コネクタになっているのだが・・・2代目は側面に充電コネクタがある。このキャップは弱い磁石でハマっているだけで、簡単に吹っ飛ぶ。書いている最中、カバンに入れたとき、キャップがぶっ飛んでいかないか常に不安である。
さらに言えば、丸いのが最悪だ。なんで丸にした。テーブルで転がるじゃないか。なんで2代目のように「D」型にしなかった・・・。
それに、わざわざ旧型と分かって新品を買うのも馬鹿げている。
が、なぜかこれ中古で回っていないし、出回っているところはめっちゃ怪しい。たぶん、壊れやすいんじゃないかな・・・充電切れるとと死ぬらしいし。実際死んだし。
でも、落ち着いて調べてみると・・・実は第二世代のApplePencilが使えるモデルっていまだにそこまで多くないことに気づく。
シリーズ毎に切り替わった時期がまちまちなのだ。
iPad Pro なら2018年以降と早いのだが・・・iPad Airは2020年、
そして、iPadはなんと2023年式の最新型からだ。2022年以前のiPadはApplePencil(1代目)しか使えない。私の型落ちiPad Pro9.7と同じという訳である。なんじゃそりゃ。
その視点でApplePencil(2代目)が使える機種をセールで買うと考えると・・・
う~ん、高い。7万円前後になる。実際にはストレージが64GBでは困るだろうから、8万円前後となる。
ボーナスに一本(しかも税引き後でだ)貰うような人間が、数万円で悩むなんて愚かしいきもするが・・・でも金の問題じゃなくて、「損した気」になりたくないのだ。(要らないものは要らない。要るものは要る。要るものでも適価じゃないと買わない。)
セールを見ていると、「無印iPadなら一代前の2021なんかが4万円前後で買えてしまうから、1万円で型落ちが分かっているペンを買うよりも、ここは買い替えるという選択もありでは?」と思うのだが・・・改めて考えると、手ごろなiPadはApplePencil的な目線では、今使ているiPad Proと変わらないのだ。
ApplePencil以外に着目しても、iPad Pro 9.7は2016年式だからもう7年前のモデルになるわけだけど、性能的には今のところ問題ない。
懸念事項としてはOSが最新のiPadOS17の対象外となっていることではあるが・・・このためあと数年で買い替えが必要になると予想できる。
できるが、どうせ2021年式のiPadもApplePencil(1代目)が使えるのだから、買い替え対象にiPad(2021)を選ぶと仮定すればApplePencil(1代目)を今買ってしまうのは無駄にはならない。
可能性の範疇でいけば、仮にApplePencilを使いこなすことで、サイズの大きいiPadや小さいiPadにしたくなる可能性ある。その場合はApplePencil(1代目)対応のものは選択対象に入らず、ApplePencil(1代目)が無駄になってしまう。
ただまぁ、その可能性を回避するにはApplePencil(2代目)+今のiPadと同じサイズの、”高価な新型モデルのiPad”を買うしかない。しかし、仮に”高価な新型モデルのiPad”+ApplePencil(2代目)を買ったとして、「ApplePencilを使いこなすことで、サイズの大きいiPadや小さいiPad」にしたくなったとすれば、ApplePencilは使いまわせても、買ったばかりの”高価な新型モデルのiPad”が使いまわせないわけで、無駄はより大きくなる。
それなら、iPadを買わずにApplePencil(1代目)だけを買って、サイズの大きいiPadを買いたくなった時にApplePencil(2代目)を買ったほうがマシだ。
問題となるのはiPadOSか何かの都合で、単純に今のと同じサイズの最新iPadに買い替えが必要に生じた場合で、ApplePencil(1代目)が使えないiPadを選択ケースだが・・・上にも挙げたとおりiPad 2022がApplePencil(1代目)適合なのだから、これが最新OSに対応しなくなるのは2030年とか相当先の話になる。その時点では十分償却(元を取った)と言っていいだろう。
だから考えられるすべてのシナリオで、ApplePencil(1代目)を買ったほうがトータルで損失は小さいハズ。
まぁ、いまあるので我慢するってのが一番損失少ないんだけど・・・