エアコンを付けた話

まえおき

私は本業は何の仕事しているのか良くわからないのですが、社内では通称電気屋と呼ばれています。
本当はダイの大冒険でマトリフ師匠が自ら「大魔導士」と勝手に肩書を作ったように、私もオートメーションコントロールシステムデザイナとか、なんかこう誰もが恐れ入っちゃうというか、「!?」となるような肩書を考えたいのですが、まぁ電気屋と呼ばれています。

ここで、私はプロジェクトの管理をしたりとか、全体的なシステムを設計したり・・・つまり事務仕事が中心で、実際に工具を使って何か加工したり、自分でプログラムを書いたりということは非常に稀なのです。もちろん全くできない/知らないと、実際にやってもらう業者さんに舐められるので、ある程度は資格を取ったり勉強したりしていますが、やっぱり座学と実務は別物なのです。

そういわけで、もっと物に近い、実際に現場に行って手を動かすのがメインの電気屋さんというのは一種の尊敬があるわけです。ただまぁ、私が付き合っている電気工事屋さんはブログどころかメールすら見てくれないんですけどね・・・(みんな忙しいのだ)

ここで公私共に取引したことは無いのですが、何かの検索で引っかかってからずっとウォッチしている、「お祭好きの電気屋・岡電のブログ」というブログがあるのですよ。素人でもわかる表現でいろいろ面白いことを発信されているので、おすすめであります。

で先日の記事でエアコン本体料金も高騰というのがあって、要約すると

故障したエアコンの交換の相談を受け、ジャパネットのエアコンが10万円だときいて高い!と回答した。
しかし、ヨドバシに見に行ったら、高級機種かもしれないが20~30万円でびっくりして帰ってきた。
エアコンが高騰しているんだなぁ・・・

http://blog.livedoor.jp/yasunariokabe/archives/5999612.html

という話。

ここで、そういえば去年うちもエアコン付けたな・・・あれもそういや2.2kWだよな。と思い立って、エアコンを付けた話をしようかなと思ったわけです。


寝室にもやっぱりエアコンがいる

さて、私は貧乏なので賃貸住まいなのですが、リビングにはエアコンが最初からついていて快適です。
ところが、寝室に使っている小部屋にはエアコンが無いのです。穴とかはあるし、壁にボードアンカーが打ったままになっているのに。

最初は“わざわざ部屋にエアコンを付けるなど無駄/リビングのドアを開けて共通で冷やせばいい”と思っていたのですが、いざ暮らしてみると果てしなくバカな考えだと分かりました。
寝室のエアコンを使うのは睡眠をとるときなので、無人のリビングを冷やすのは全く無駄です。更に、リビングのほうが寝室の何倍も大きいので、逃げていく冷気(侵入してくる熱量)も当然大きいわけで、マシンとしての冷却能力kWあたりの効率が大型機のほうが良いとかって話はぶっとんで効率が悪いわけです。
というか難しい話は別にして、合計24畳を冷やしているようなものだから、全然能力足りないし、電気代は掛かるし、こいつはダメだと。

で、エアコンを付けようと近所のヤマダ電機に行くと(といっても去年2021年の4月の話ですが・・)、一番安いエアコンで取付工事込み¥109,236で、工事は3週間以上掛かるという。だからすぐ買わないと、どんどん取り付けが遅くなりますよ(笑)というんです。悪いが笑い事ではありません。(値段がメモってあったあたりが恨みがましい)

私は学生時代にヨドバシカメラの家電コーナーでバイトしていたんですが、6畳用って工事込みで6万切るくらいじゃなかったかな・・・10年以上前のことですけどね。

更に、私が借りている部屋はよくある金太郎あめ間取りの部屋なので、ベランダ幅が狭いというか、ベランダに面した壁が殆ど掃き出し窓で、エアコンを置いたときに窓にかからない部分が少ない。だから、室外機を2段重ねにしたいのだがというと、それは特殊な工事になるから+4~5万円みといてほしい。いくら掛かるかは分からんので、現場で業者と相談してほしいというんですよまた。

おいおいそれ、現場で不調(値段が合わずキャンセル)になったらどうすんだよ・・・というので、考え直すことにしました。

物は勉強で自分でつけることにした

通販で探してみると、本体だけならパナソニック製の6畳用=2.2kWクラスなら3~5万円くらいで流通しているようだということが分かりました。

とはいえ、工事も一括で手配するとヤマダ電機の問題に近くなってくるし、どうしたもんかなと。

私は電気屋と呼ばれているけれども、冒頭の通り実務経験は全くなく、エアコンとかも付けたことは無いんですよ。
ただまぁ、原理上は家庭用エアコンクラスなら二種電工だけあれば良いようで、調べたところ特殊な設備は必要ないみたいだから、付けられんことは無いはずではないだろうか?と調べてみたのです。
まぁ、3~5万円くらいなら、勉強代だと思ってやってみるか・・・ということにしました。

まず2段置き架台を設置する

まずは室外機を2段おきにする準備をしなくては・・・DIYのノリでツーバイフォー材で作ることも考えたのですが、塗装や防蝕、それにそもそもエアコン取付の知見が無いのに独自設計をしても、良い結果にならないだろうということで、多少金がかかっても業者さんが使いそうなものを手配しました。

https://www.monotaro.com/p/3657/6574/

結構色々なメーカーが出していて、やっぱり架台といえばネグロス電工かな!と思ったのですが、サイズが微妙で結局上の日晴金属というメーカーの架台をMonotaROで手配しました。

Amazonに無いようなものも、数百円の送料でソッコー届くMonotaRO。
中身はこんな感じになっていて、ご丁寧に説明書も入っていて、組み立ては簡単でした。

で、既設のエアコン室外機にちょっとどいてもらって、どっこらと据える。

配管に余丁が無いので、変な力を掛けてクラックが入らないかヒヤヒヤしながら設置完了。

まぁ、そうか・・・確かに自分で商売としてやるなら、現場がどういう状況か分からないから、あらかじめどんな架台使うか決められない。いろんな架台を在庫しないといけないから大変だし、値段もあらかじめ決めるのは難しいかも。下手したら手持ちで合わなくて、二回来ないといけないかもしれないし。
それに、既設配管の状態もわからないし、ひょっとすると後から損傷していたと言われるリスクもあるわけで、まぁ商売とやる以上それなり対価を取らないと・・・ってなると、あの値段設定もまぁしょうがないかと思う。

あ、ちなみにこの架台は1段目は触らず、かぶせるように設置することもできます。ただ、そうすると架台全体で見たときに重心が高くなるから、アンカーか壁に転倒防止をしないと、とてもじゃないけど設置できないと判断しました。実際のところはどうなのか・・・プロでも賃貸の壁に転倒防止を打つんだろうか・・・。

ベランダだとアンカー打つわけにもいかないから、既設室外機が錘になってマシになるように、こういう配置にしたわけです。そんな思惑もあって、2段目もギリギリまで低い高さに調整しました。

エアコンを買う

自宅だから1ステップごとに材料を買うという悠長な工法も成り立ちます。架台が設置できた、よしokといところでエアコンを注文しました。

エアコンはリビングがパナソニックのFシリーズだったので、同じ系列にしました。
PanasonicのエオリアCS-Fシリーズの2020年モデル、2.2kWの6畳用。この話は2021年5月なので、型落ちモデルです。送料込み¥35,000-で在庫限りの叩き売りされていたので、これに決めました。

https://kakaku.com/item/K0001224661/spec/#tab

で、こちらはMonotaROのようにすぐ届くというわけにもいかず、運送会社から配達日の調整の連絡が着て、嫁さんが在宅の日の適当な時間に届けてもらいました。

相場より安かったので、室外機別売りとかじゃないだろうなとヒヤヒヤしましたが、ちゃんと室内機+室外機セットで届きました。(そりゃそうか。)

届くとこんな感じ。家の中に置くととても邪魔です。結構重いし。とはいえ、2.2kWクラスなら室外機も普通に持てる重さで一安心です。

室内機を付ける

次に室内機を壁に取り付けることにしました。

エアコンの室内機は、バックプレートという鉄板を壁に止めて、その壁に本体をひっかけるようにしてついているのです。したがって、バックプレートを壁に付ければ、物理的な取り付けはほぼできたようなものです。

バックプレートの穴位置は各社モデルによって微妙に異なるでしょうから、既設のボードアンカーの位置とは合わないとは予想していました。
でも、バックプレートをボードアンカーの穴に合うように加工してしまえばいいじゃない!と思っていたのです。

ところが、なんと手配したエアコンのバックプレートが、既設ボードアンカーのピッチより狭いので、穴をあけたらいいって問題じゃなかったです。

ということでボードアンカーを買うことに・・・。

https://www.monotaro.com/p/0833/8836/

で、慎重にけがいて穴をあけます。壁に指が入るような穴をあけるのは生まれて初めてなので、めっちゃ緊張します。

で、うまいこと水平にしつつ・・・取付・・・

!!右下の穴だけずれている!!やっべー!!

早速ど素人炸裂で、右下の穴が合いません。
4点留めで1か所ほっとくか・・・いや、エアコンを付けるのは初めてだけど、そういう妥協って後々クソ面倒くさいことになる気がする。

ってことで、バックプレートの穴をダルマに加工して留めました。

配管と電線をつなぐ

ここから、室外機と室内機を接続していきます。室外機と室内機は、冷媒管といって代替フロンが行って帰ってくる2本の管と、ドレン管というホース、1本の電線・・・じゃなかった、VVFだからケーブルか・・・でできています。これも工事込みで手配しておけば工事屋さんが持ってきてくれますが、自分でやるには買わねばなりません。

ということで、配管と電線を買います。
配管も両端をフレア加工といって、ラッパ状に成型せねばならず、なかなか面倒な問題なのですが・・・ちゃんと加工済み配管セットというのがあるので、それを買っちゃいました。

https://www.monotaro.com/p/2291/1918/

プロの人は巻きで買った方が安いだろうからこんなの使わないだろうし、何のためにあるんだろうと思ったり。

・・・・

で、この間写真がありません。余裕が無かったからです。
配管と配線はまぁ大したことないだろうと思っていたのですよ。壁に穴があるから、そこを通すと。
フレア加工もしてあるから、ナイログ(鼻水みたいな薬で、接続部に塗ることで漏れにくくする)を塗って締めたら終わりやろと。

ところが丸一日かけて冷や汗やら、運動の汗やらもうダラダラで、全く以て簡単じゃなかったです。

1.配管が恐ろしくかたい。
YouTubeでは針金を曲げるようにクイックイッとまげて、「曲げ過ぎないようにね」みたいなこと言っているけど、曲げ方が悪いのか結構な力を入れないと曲がらない。思うような形にならない。

2.VVFをつなぐところが狭い。
電気は専門だから大丈夫。VVF?めったに使わないけど、差し込みだし、CVと違って剥くのもも簡単だから楽勝よ!と思ったけど、繋ぐところが狭くて、なかなか3相が綺麗に奥まで差し込めない。差し込むのにエライ苦労した。

3.フレアナット舐めそう・・・というかちょっと舐めた。
フレアナット行って、配管と配管を接続するところを回して締めるようになっているんですよ。
今回は「左配管」という工法で、比較的簡単・・・のはずが、これ超大変ですわ・・・。

左配管というのは、冷媒配管が室外機から左側に出ていく配管方法で、このほかに右に出る「右配管」、室外機の裏から壁を貫通する「裏配管」があるみたいです。
左も右も一緒に見えるけれど、実は室内機の冷媒配管は向かって右端から生えているのです。室内機から生えている冷媒配管は30cmくらいなので、左配管の時は室内機の中で、右配管の場合は室外機の外で接続するという違いが出ます。

このため、左配管だと室内機の裏で配管を接続しないといけないという厳しさはあるのですが・・・一方で接続部分は一直線なので簡単だし、調整しやすいということで、一番楽なようです。

で、スパナを2本(片方はトルクレンチ)かけて締めるわけですが、狭いし意外とトルクが要るしで、うまく締められず、力を入れるとレンチが外れてしまうんですよ。レンチが外れてしまうと、ナットが柔らかいので削れてしまって、余計に外れやすくなる・・・ということで、なかなか規定トルクでカチンとならないのに、ナットはちょっとずつ削れていく・・・こいつはヤバいと、ホムセンにフレアレンチを買いに行く羽目に・・・

フレアレンチというのは、メガネレンチの一部が切り欠いてあるレンチのことです。スパナだと引っかけているだけだから、下手糞だと外れてしまうのですが、メガネレンチだと穴にハマる形になるので、下手糞でも外れにくいのです。ところが、配管の途中にあるナットを回すためにメガネレンチを使うと、締めた後取れなくなっちゃうので、配管を通せるだけの切り欠きが付いているものをフレアレンチと言います。

Amazonで千円以下なのに、ホームセンターで買ったから、普通のフレアレンチに4千円くらいとられました・・・。

配管をパージする

さて、めでたく物理的な接続が終わったら最後の仕上げ、配管のパージです。
クーラーは圧縮すると簡単に液体になる気体を冷媒として使用しているわけですから、空気のように(室外機レベルの圧力で)圧縮しても液体にならないような気体が混じっていると壊れるわけです。
つまり、接続した配管には空気が入っているから、これを取り除く必要があります。一番簡単なのはガスパージといって、片方から冷媒ガスを注入して、配管内を冷媒ガスで満たし、空気を追い出してしまう方法です。

ただまぁ、これはパージできたか勘で判断しないといけないから素人向きじゃないし、そもそも代替えとはいえフロンが漏れるので禁止されています。
なので、現実的には吸引ポンプで空気を吸いだしてしまうほかありません。

エアコン用にパージで空気を吸いだすための真空ポンプが専用品として出回っていて、そこそこ安価に入手できるのですが、めったに使わないので今回はレンタルしました。一週間¥1,200。

丁寧な説明書やら入っていて、至れり尽くせりでこのお値段。

手順に従って真空ポンプで配管内のエアを抜き出し、止めた後もしばらく様子を見て漏れていないか確認し、真空引き完了。

完成し試運転をします・・・ハラハラしつつ、試運転モードで運転を始めると、ギンギンに冷えて真夏なのに寒すぎるというような空気が出てきて感動。

その後も1年半くらい使っていますが、いまのところ調子はいいです。
施工が悪いとちょっとずつ冷媒が漏れてエアが混じり、性能が悪くなって行ったりなどなど、目に見えない不調が出るそうなので、心配ではあります。

まとめ

というわけで、エアコンを自分で付けたのですが、やっぱり大変です。
なんか動画を見ると、「ここら辺が難しいです」と言いながらホイホイ付けてますが、ノーコメントで当たり前のようにやっている部分が既に難しい。私もサラッと「苦労して付けました」と書きましたが、「え、これやっちまったんじゃないか」と途中かなりひやひやしました。

費用としては確かに二段置き架台込みで12~15万円くらいのエアコン設置が、5万円ちょいでできたので、安かったと言えば安かったのですが・・・物がそもそも型落ちだから比較できないし、ポンプ以外の工具や資格は持ち合わせを使ったので、これらもそろえるとなると、1台付けるだけなら15万円でも頼んだ方が安いかもしれません。というか、6畳用で10万円は工事費込みでもやっぱり高いと思うんだけどなぁ・・・

それになにより、仕上がりもどうしてもきれいにできません。やっぱり一回やったくらいじゃ、いくら時間をかけたってプロのようにはなりませんでした。こいつは値段には変えられませんからなぁ。(緩んできて時々巻きなおしている。)

ただまぁ料理と一緒で、自分でやると良いものに感じます。まぁ、1台くらいはやってみて正解だったかなと。もうやらないと思うので、経験を生かす機会は無いですが・・・将来付けるときに工賃を気持ちよく払えると思います。架台抜きで3万円くらいの工賃なら、やってもらった方が良いですわ・・・マジで。


・・・と、そうそう、そもそもは2.2kWで10万円は高い。値段が上がっている!という話だったわけですが、去年の時点で2.2kWで10万円だったので、そう変わっていないか、去年の時点ですでに高くなっていたのではないかなぁという気もします。まぁ、ジャパネットのほうがヤマダ電機より安そうなのに同じ値段だとかって話はありますが・・・。

本体価格で比較しても、現行モデルのCS-222DFLも¥37,669で即納で、大幅な価格の変動は無いような。

とはいえ、シーケンサやインバータは15%くらい価格が上がってきていますし、民生品もこれからじわじわ上がっていくのではないだろうかと心配ではあります。

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