家を買おうか悩む(4)~金利

ここのところめっきり更新が減ったけど、本当に家を買おうかと迷っていて、買う方向に向けたアクションを取っていて忙しい。

過去の投稿でも触れたけど、改めて読んでもまとまりに欠けるようで要約すると

家を買うべきか憂鬱(1)家を買おうと思った経緯は、時間をもっと有効に使いたいから。
自分にとって有効は工作。自分の得られる満足が大きく、
更に仕事での能力にも影響していると思う。
家を買うべきか憂鬱(2)工作に適した中古一戸建てを見つけたが、改めて考えると
それを買って本当に幸せになれるのか疑問になった。
理由は妻で、妻は最近寝てばっかりで家のことをしてくれないから、
一戸建てを買っても私が忙しくなるばかりでは無いか?
家を買うべきか憂鬱(3)工作は諦めたほうが総合的には幸せになれるんじゃないだろうか?
近所にできたマンションは、マンションの欠点をだいぶケアした
造りになっていそうだし・・・

という感じである。


(2)のとおり、面倒を増やすのは辞めようかなどとも思ったが・・・

でも妻も土日平日寝てばっかというのは、あくまでここ最近、会社でのポジションが変わったことによる一時的なもののような気もする。その証拠に、最近は洗濯物畳んでくれたりとか、土日の夕食を作ってくれたりするようになってきた。
仕事が落ち着いたら以前のように半分以上分担してくれるかもしれない。という期待も出てきた。

それに一戸建てを持てば仕事が増えると言ったものの、床面積や部屋数、設備数は大して変わらないから、掃除や管理の手間は変わらないだろうし、場合によっては壊して作り替えても良いというオプションが効いて却って仕事は減るかもしれない。

税金の管理といっても、引き落としにしたらあとはスマホで見るだけだし・・・町内会だってせいぜい集金当番やゴミ捨て場の掃除がたまに回ってくる程度だろう。

そう考えると大したコストじゃないのかなって気もするし、リターンのほうが大きいかもしれないという気もする。


というわけで、やっぱり一戸建てを買おうかなという方向に心は転がり始めた。
ここでローンについて少し思いをはせはじめた。

流石に現金一括で買える家はまずないので、2000~3000万円くらいはローンを組まないといいけない。

今は超低金利時代と言われているので、ローンには追い風ではあるのだけれども、これから金利が上がるとも言われていて、いろいろと不安な時代でもある。私自身あまり理解できていない点もあるので、妻に説明できる程度には勉強して整理してみようと思う。

金利=年利

金利というのは利子の額を決める値。借りたお金が1000万円で、それに払う利子が10万円のとき、金利が1%とあらわす。金利は分母が期間であるから、1年で計算したものを”年利”、1か月で計算したものを”月利”などと呼ぶ。
ただし、ローンの世界では単に”金利”といえば、”年利”をさす。

つまり金利1%の住宅ローンなら、1000万円かりたときに1年ごとに10万円ずつ利子を払う必要があり、月々はこの10万円の1/12である8,333円の利子を払うということである(正確には複利なので1月と12月で微妙に違うが、概ね1/12で考えればいい。)。

元利均等と元本等金利

ここで1000万円を借りたときに1年に払う利子は10万円で、更に借りた分そのものの分を払わなくてはいけない。仮に10年払いなら、毎年1000万円の1/10である100万円ずつも返さないといけないので、1年間の返済額は110万円(毎月91,667円)になる。この借りた分そのもののことを”元本”という。

ただし、これは元金均等返済の場合で、一般的にローンは”元利均等返済”という別の計算で払う。

なんでかというと、元利均等返済の場合は1年目は1000万円借りているのだから、利子が10万円であるが、2年目は100万円ぶん元本が減ったので、借りている金額が900万円になっている。
すると、利子は900万円の1%である9万円であるべきであって、2年目の返済額は109万円となる。
3年目は更に借りている額が800万円になるわけだから、利子は8万円で返済額は108万円・・・
というように、返済が進むにつれて返済額が減っていってややこしい。

このため、序盤は元本の返済を少なく、終盤は元本の返済を多くすることで、元本+金利が最初から最後まで一定になるように返済額を決める。これを元利均等返済という。
金利1%、1000万円を元利均等払いで借りた場合の支払いは、毎年106万円…月当たり88,600である。
1年目から10年目まで、返済額は106万円と一緒だが、内訳は1年目は金利10万円/元本96万円、10年目は金利1万円/元本105万円と変化する。

ここがまずわかりにくい所であり、破産している人の勘違いポイントである。

例えば、1000万円を35年(360か月)払い、5%で借りた場合、月々53,682円の返済になる。
360回の中間である180回目の時点で53,682×180=9,662,760と借りた額に相当するから、借金は半分以下になっているのか・・・と思うと、残債は6,788,304で1/3しか減っていないのだ。なんでこんなことが起こるかというと、先で説明した通り序盤ほど“元本”分が少ないから。

金利0.2%の重み

ところで現在の住宅ローン金利はどのくらいだろうか?

金利には都度変動する変動金利と、契約時に決めた金利でずっと進める固定金利がある。
変動金利のほうが将来的に値上がりする可能性がある分、割安に設定されている。

一般的な住宅ローンだと、変動金利の場合0.6%前後、固定金利の場合3%前後のようだ。
また、その中間で序盤の一定期間だけ固定金利、それが終わったら変動金利というプランもある。

0.6%とか3%とかスケールが良く分からん。金利が0.2%~1.2%の場合の月々返済額を比較してみるとこんな感じになる。

金利0.2%の違いは、2500万円の借り入れの場合、年間に払う利子としては5万円、つまり月々に直すと4千円しか変わらない。しかし、35年払いとなるとその影響は大きく、0.2%だとしても35年で利子だけで91万円、0.4%だと184万円も累計で支払う必要がある。

ここで注意したいのが、例えば1%の時は累計で475万円の利子を支払う必要があり、これは0.2%の時の5.2倍である。金利は5倍なのに、利子は5.2倍になるのはなぜか?それは先で触れた通り元利均等返済であるため、序盤の元本の減るスピードが遅くなっていくからである。

このため、金利1%だと2500万円のために1/5近い利子を総額で支払うことになる。

更にもっと高い金利だとどうなるだろうか?1%単位で考えてみると以下のとおり

金利が仮に5%に達すると、借りたのは2500万円だったけど、最終的に支払うのは5,344万円と2倍以上になってしまう。

このように、住宅ローンとしては比較的「小さい」価格帯の2500万円ですら、このように結構激しいことになる。これが金利の重さである。

変動と固定どちらで組むべきか

このように金利の上昇はかなりリスクになる。
そう高い金利にはならないだろうと言うが、過去を振り返るとバブル期には最大8.5%の金利をマークしていたのだ。

もっとも、金利が8.5%になるには、それだけ景気が良くならなくてはいけない。金利が8.5%取られるとしてもそれを借りて返せるし、それなりに儲かる状態でなくては、誰も借りないからだ。

とはいえ、金利が上がる原因は景気が良くなることだけではない。円の価値がどんどん下がっていってしまう場合だ。つまりコストプッシュ型のインフレが来ている場合だ。100円で1本買えるジュースが、来年は一本200円になると予想されたら、100円貸すなら200円にして返してもらわないと損だし、頭のいい奴なら100円借りて1本買っておき、来年200円で売って100円+αを返せばいい、というようなことを考えるからだ。
実際、日本はポピュリズムの強い国=困っている人、弱い人を助けよう という思想が強いから、コロナショックや能登半島地震のような大災害時に、「政府に」何とかさせようという機運が高まって、莫大な予算が支出された。これは大変結構なことなんだけれども、要するに円を刷って困った人に配ったわけだから、1円の価値が薄くなるのは当然だ。円安も要するに日本の通貨の薄め方が他国より強かった結果にすぎない。

従って、不景気だから金利が上がらないだろうというのは不十分で、不景気でもインフレが予想されれば金利は上がる。だから、金利は上がると予想のうえでお金を借りる必要がある・・・と思う。

しかしここで悩ましいのが、固定金利で借りれば変動リスクが無くなる物の、金利が高くなる点である。変動金利、10年固定、35年固定でローンを組んだ場合の、月々支払額と総支払額について考えてみる。

変動の場合は0.6%、10年固定の場合1.75%、35年固定の場合、3.09%になる。

仮に2500万円で、ローンを組んだ場合、完済までに払う金利は変動の場合279万円にすぎないが、10年固定金利の場合551万円、35年固定金利の場合1,626万円と、一千万円以上支払いに差が出る。
一千万円というのは・・・大きい。

そう考えると、むやみに固定金利にするのは躊躇してしまう。

一方で、では金利が上がった場合どうなるか?
金利が毎年0.5%のペースで8%まで上がった場合を計算してみた。

折れ線グラフが適用される金利で、変動の場合も”優遇金利”という値引き部分があるので、基準金利が8%に達しても最大6.13%までしか上がらない…という前提で計算している。

縦棒が月々の支払額で・・・紫が固定金利の場合の支払額なんだけど、変動の場合は6年目で固定35年より高くなる。10年固定の場合も固定期間が終わったら35年固定より高い。

こうして最終的には変動金利が一番支払額が多くなってしまう。

というわけで、固定35年も高いわけでは無いのだ・・・

それじゃどうするか

選択肢はいくつかあって、

①フラット35を利用する。
フラット35は住宅支援機構という組織の補助で組まれる専用のローンで、固定金利なのに金利が比較的安い。このフラット35金利も上がり始めているが、現状は2%前後なので、一般の銀行から10年固定で借りるのと総違いは無い。前表のとおり2%で35年借りた場合の支払利息の累計は1000万円ほどだから、これを高いとみるか安いとみるか・・・である。

②自己資金・繰り上げをしてしまう。
要は借りる金を少なくすればいいわけだ。

家を買う時には諸経費や引っ越し代リフォーム諸々で500万円はかかるだろうが・・・それと別に更に500万、つまり現金で一千万用意できるとする。うちの家計なら用意できる。

それを最初に使っちゃって、2500万円のいえを2000万円のローンで買う。
これだけだと全体が2割引きになるだけなので、上の例で言えば固定35年で組んだ場合の利子の総額が1,600万円ちょいから1,300万円ほどになったり、変動で組んで金利が上がった場合の利子の総額が2600万円から2200万円になるだけで、態勢に影響はない。

ここで更にうちの家計なら住居費に月15万円は無理なく出せる。単月だときつい場合もあるかもしれないけど、ローンとかも込みで考えれば1カ月平均15万円×12=年間180万円くらいは出せる。

ローンの支払額はそれより断然小さいので、180万円を住居費とするとだいぶあまる。これを全部ローンの繰り上げ返済に使う…と仮定すると・・・ローンの返済は以下のようになる。

棒グラフが常に変化しているが、これはローンとして払う義務がある部分で、実際にはこれに繰上げ分を足して月々15万円になるようにはらう。

・・・すると、変動金利の場合、例の0.5%ずつ金利が上昇し8%になると仮定しても、14年で払い終わる。同様に10年固定の場合は18年、固定35年の場合でも19年で払い終わる。

落ち着てい考えれば当然で、年間180万円返済したら、2000万円は11年ちょいで払い終わるだろうから・・・

この前提で計算すると、返済までに払う利子の総額は変動の場合378万円、10年固定の場合594万円、35年固定の場合でも817万円となる。これは金利が上昇した場合の計算である。
金利が上昇しない場合、変動と10年固定のはもっと安くなる。変動の場合は76万円ほどだ。

こう考えると、我が家に限ていえばある程度支払い能力があるので、変動金利で組んで繰り上げていってしまったほうが良いということになる。

金利が上がる場合も固定より変動のほうが支払利子が安くなるのは一見変だが、変動の場合は金利が上がりきるまでの5~6年で返済する金額が大きくなるため、金利が上がった時点での残債が固定の場合より小さくなっているから、結果的に返済スピードが速くなるのである。

・・・などと考えている。

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