家を買うべきか憂鬱(2)

前回の続き

ふと気づくといい歳 私も気づいたら30代も後半に差し掛かってしまった。 私の人生は順風満帆という訳では無かったと思うけれど、今...

良い感じの古屋を見つけたんだが・・・

実は最近、良い感じの家を見つけた。
私は趣味にお金を使いたいから、家にあまり執着していないのだ。だから機能上で優れていれば、古かろうが、格好悪かろうが関係ない。

ただ、サラリーマンが生涯に稼ぐお金は2億と言われている中、家のイニシャルコストにその1/4や1/5である4000万円/5000万円をつぎ込むのは気乗りしない。せいぜい1割の2000万円くらいで何とかならんかなぁとおもっている。

そういった側面から、古屋付土地を探していた。古屋付土地というのは、取り壊す前提の建物が立っている土地である。つまり中古住宅としてもう値打ちが無い家が建っている土地を、取り壊さずに売りたいというものだ。

今回は私は「ギリギリ住めそうな家」を格安で買いたいと思っていた。「ギリギリ住めそうな家」が建っているような土地なら、下手をすると更地より安く買えるパターンもある。新築する場所を探している人から見れば、更地に比べたら解体費の分余計にお金が掛かるからだ。その分安くないと更地との比較対象に乗らないからね。

そういう家ならとりあえず直しながら住んで、こりゃもうダメだとなったら解体して土地を売ればいい。損はするだろうが、賃貸で暮らせば年間140万円くらい家賃に消えるのだから、3年も住めれば420万円損してやっとトントンである。

たいてい、そういう古屋は狭いのだが・・・今回見つけたのは土地こそそこまで広くない物の、構造が特殊で凄く広々として使える古屋だった。
古屋にしては強気な価格だなと思ったのだが、見に行ってみたら凄く綺麗な建物で、本当に私の歳と同じくらいの築年数なのか?というような代物だった。

実は古屋だから安いという訳ではなく、解体費が高くなる構造をしているから安いのだった・・・

そう考えると、仮に買ってすぐ解体して売ったら、一千万円以上損しそうな物件である。とすると、8年くらいは済めないとペイできないし、それだけ古いとなると途中の治し賃も莫大なものになりそうだ。

つまり今の家探しの趣旨の、「とにかく安く」から外れた家だったということだ。

とはいえだ。この駅徒歩、広さ、機能・・・同じものを土地から注文住宅で建てたら6千万円くらいしそうだ。それを作ってすぐ売ったとしても一千万円以上損するだろうし、仮にその家に10年住んでから売ったらもっと損するだろう。
そう考えると想定される損失は特別大きい物でもない・・・かなってきもした。

家を買うことは本当に私の時間を増やすか?

そこでふと我に返ったのだけれど、じゃあそういう家を買ったら、私は自由にモノづくりのスキルを磨けるだろうか?

・・・実はダメなんじゃないか?と悩んでいる。


持ち家っていうのは賃貸マンションに比べてやることは増えるはずだ。かなり。
家の掃除は今まで以上に気を付けないと、あっという間に虫や動物が入ってくる。

修繕や近所づきあいの金銭管理も必要になる。

ゴミ捨て場の清掃当番といった地域活動も必要になる。

そうすると、ゲームをする時間が家事をする時間に食われて消滅するだけで、私は得るものが無いんじゃないだろうかという気がしてくるわけだ。

妻はモノづくりに興味が無い

それに、私がモノ作りに没頭すればするほど、妻との距離は開いていってしまうんじゃないかと思う。


もし仮に前出の立派な古屋を買ったら、居住空間は2F、1Fはバリバリの工作設備って感じになる。妻は土日1Fに降りてこないだろう・・・すると家庭内別居状態である。

まぁそんな妻なんてほっぽったらいいじゃん。お互い好きなことをしてハッピーでWin/Winじゃないですかって気もするんだけど、それって俺がしたいことなんだろうか・・・となってしまったわけだ。


どうしたらいいんだろなぁ・・・。でも、例えば車なんかも「死んでもATは買わん」と思っていたけれど・・・結局妻がMTを運転できないしってATに妥協して、凄く悩んだけど、いまではまぁこれで良かったかなと思っている。
工作という趣味も、思い切って切り捨ててしまう。それしかないのかもしれない。
モノづくりを辞めたら俺は俺じゃなくなる。そう思っていたが・・・

でも一周回っていまの高コストな生活を支えている要素の一つも、私の趣味みたいなもんなんだから・・・これを切ってしまったら致命的なことになりそうな気もする。

俺何がしたかったんだっけ?
正直詰んだような気がしている訳である。

(つづく)

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