家の予算(1)~買値と消費額は別

家・・・欲しい・・・

家を含む不動産というやつは、何千万円もする大変高価なものなんだけど、みんな買っている。私も買おうと思ったら買える。

ふつう買い物というのは持っているお金の分しか買えないが、不動産を買う時に限ってはお金を簡単に借りられるからだ。
ただじゃあいくらの家を買うかって話は難しい。

よくThreadsとかの世間話では、「年収の7倍まで借りられるから、年収の7倍の家を買う」であるとか、「それではぎりぎりだから年収の5倍までの家にすべきだ」という議論がされる。

年収の何倍の家というのは目安としてはわかりやすいのは同意するし、また年収の何倍で決めるのは危ないからもっと細かく予算を決めるべきだ、という考えもあってそれにも同意する。

ただ、私の考えでは自分の買うべき家は、そもそも売価で決めるべきではないと思う。

買う金額と消費する金額は別

というのも、600万円のスポーツカーを買う人と、200万円の軽自動車を買う人がいたら、どっちが贅沢をしているか?と考えたとき、単純に考えると600万円払ったほうが浪費しているように見える。

ただ、少し長い目線で見たとき、600万円のスポーツカーは500万円で売却できて、200万円の軽自動車は50万円でしか売却できないようなことがしばし起こる。
こうなると、スポーツカーを買った人の消費したお金は100万円で、軽自動車を買った人の消費したお金は150万円になって、軽自動車の人のほうが消費が多くなる。

実際は自動車の場合はこう都合よく逆転しないし、維持費なんかは高い車のほうが当然高額なので、見かけ上ひっくり返っててもトントンか、やっぱり高い車のほうが若干損だったりする。

ただまぁここで言いたいのは、“買うのに払った金額”と“消費した金額”ってのは少し分けて考えないといけないってことだ。

私などは100万円くらいの中古車を乗り継いでいるが、500万円くらいの新車を5年ぐらいごとに下取りに出して買い替える人と、実はそんなに消費する金額に差はないのである。

土地は借り物

ジャックバウアーの「火星の人」の、「人間の体は水を消費しない。借りているだけだ。」という言い方を借りると、買った土地というのは借り入れているだけである。

どういうことかというと、人間は水を飲んだり食料に含まれた水分子、つまりH2Oを摂取するわけだが、人間の体内ではH2Oを消費しない。消費というのは、植物の光合成みたいに、H2Oを分解してO2とCH—にしたりする処理である。
人間の体にそういう機能はないので、摂取したH2Oは体内で各種作用の”道具”として使用されて、最終的には摂取したのと同量のH2Oが尿や水蒸気として排出される。

土地もある意味そうだ。買うことで永久的に無賃料で占有する権利が得られる。
ただ、土地をいくら使っても減ったりすることはない。

あくまで取得して、いつか手放すまで借りているに過ぎない。
この考え方だと、100万円の土地でも1億円の土地でも、買っただけではどっちも消費ゼロである。

だから土地の値段は考えなくても良いって言っているわけじゃない。
現金で買うなら消費ゼロだが、実際はローンで買う。金利2%なら、100万円の土地には年2万円、1億円の土地には年200万円の利子が掛かる。この利子の部分はまさに消費だ。

だから、土地を買う行為自体はやっぱり消費的側面はある。だけど、今言ったように土地の値段そのものが消費なのではなく、それを買って維持するための費用の部分が消費なのである。と私は考える。

従って、3000万円の家と4000万円の家の2択だとしても、必ずしも3000万円の家のほうが倹約だとは言い切れないし、1億円の家が予算オーバーじゃない可能性もあるってことだ。

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