家・・・欲しい・・・
家を含む不動産というやつは、何千万円もする大変高価なものなんだけど、みんな買っている。私も買おうと思ったら買える。不動産を買う時に限ってはお金を簡単に借りられるからだ。
自分の年収なら6000万円くらいは借りられるから、普通のおうちなら何でも買えると言えば、買える。
ただやっぱり少しでも安く買いたいし、そもそも不動産の値段ってのは最終的に売ることも加味した値段になっている。
なので、買いたい物件が相場に対してどのくらい+αされているのかを把握する必要がある。
賃貸物件の場合は利回りで価値が値段が出せる
しかし、不動産の価格というのは難しい・・・定価があるわけじゃないし、同じものが二つとない。しかも趣味性も高いと来たものだ。
例えば収益物件と呼ばれる、人に貸すのを目的としたマンションの場合は、賃料÷利回りで値段が決まる。利回りというのは、その収益物件を買うのにつぎ込んだお金が、1年に何パーセント回収できるかを示したもの。例えば1000万円の物件で50万円儲かるなら利回りは5%と表現され、1÷5%=20年でつぎ込んだお金を回収できるということになる。
利回りは地域や景気に左右されるが、首都圏でいまなら3~5%くらいだろう。仮に4%とすると、月々5万円で貸せる部屋は年60万円だから、部屋の値段は1500万円になるし、月々10万円で貸せる部屋なら3000万円といったところになる。実際には駅徒歩とか修繕積立金の総額とか、いろんな修正要素を受けるのでばらつくが、概ねこのように決まってくるので分かりやすい。
お国の値付けシステムもある
ところが、自分で買って自分で住む家というのは非常に難しい。
特に一戸建てというのは賃貸の家はまずないから上みたいな計算はできないし、マンションだって居住用と賃貸用では値段が全然違ったりする。値段があってないような世界なのだ・・・
昔はドラマ正直不動産のように不動産会社が跳梁跋扈して、素人相手に利益を巻き上げていた・・・らしい。このため、情報の非対称性で消費者である我々が不利益を被らない様に、お国がシステムを作ってくれた。
このシステムで調べることができるのは、まず公示地価。
これは街の特定の地点の土地が、仮に更地だったら幾ら位の価値が有るか・・・という目安の価格を国が出しているもの。だいたい街に2・3点決まった位置が有って、そこを国がずっと毎年調べている。
例えば八千代市というところの八千代台という町だと、4丁目257-60がその地点になっていて、地価は13万円/平米だという。駅徒歩11分だからまぁまぁ駅に近いが、結構いい値段するな。
これに敷地面積を掛けると、目安の価格が分かる。例の13平米/万円の地域で、土地が150平米の場合、13×150=1,950万円となる。
実際は公示地価というのは安目の価格になっている場合が多いらしく、一般的に1~2割程度高値で取引される。
更に取引事例というのも見れる。
ただまぁ、これは実際の取引が何処の土地だったか・・・というのが特定できない様になっている。
特定されると、「あのおうちは●●円だったんですってよー」「あーら私のおうちより安いわ…貧しいわね」みたいな噂をされてしまうとかなんとか・・・まぁ、プライバシーの問題が絡んでくるのであろう。
という感じに、駅徒歩何分くらいで、どのくらいの大きさの土地が、一体いくらで売れたのか…という情報を調べることができる。
こうしてみるといくつか傾向が見えてきて
- 公示地価の1.5~2倍で取引されているのは、大きくて(200平米以上)で駅近の土地
- 駅徒歩7~10分くらいは公示地価の1割増し程度
- 駅徒歩10分を超えると、下手すると公示地価より安くなる
というわけで、昨今の世相が反映されていそうな感じである。
というのも、20~30年前に比べて少子高齢化・核家族化が進んだ→以前は子供2人+夫婦2人がメインゾーンで、更に子供が多い世帯や、両親の面倒を見る世帯が多かった。
このため、間取り的にはゆとりのある4LDKあたりが人気で、お金が有れば5LDK~という戸建てが多かった。家自体も100坪(300平米)を目標に、妥協して150平米~200平米というのが普及帯だったようだ。
これが今やDINKSというか、夫婦だけ、或いは夫婦にせいぜい子供1人の世帯が多くなったから、要求される間取りも2LDKや将来3LDKに改造できる2LDKというのが多くなってきた。
この間取りだと2階建てでも100平米、3階建てにするなら80平米もあれば良くなってきたわけだ。
昨今、新築建売業者が活況なのは、この20~30年前の区切り方の土地と、現在要求されている土地のアンマッチを上手く利用してきていると考えると辻褄があう。200平米の家を手放そうとしている人が居ても、100平米の土地しか必要ないからと言って半分だけ売ってもらうわけにもいかない。
これを建売業者が買い取って、半分に切って、しかも家を建てて売るわけだから儲かるわけだ。
だからある程度駅に近くて、2つ以上に切って売れる土地というのはかなり高値で取引される傾向にありそうだ。逆に言うと、2つ以上に切って売れない土地というのは、新築建売業者は手を出さない。(出さなかった・・・が一時高騰したせいか、一本釣りに挑戦してのたうち回っている建売が結構ある。)
例えば私の住んでいるエリアだと100平米の建売は概ね三千万円半ばで売買されている。これは安いが、2棟なら七千万円、3棟なら1億円ちょいになるわけだ。
建築費が1棟1,500万円なら、1棟しか建てられないときは1,500万円ちょいでしか買い取れないが、200平米以上で2つに割れる土地なら4000万円、3棟に割れるなら5500万円で買い取れる。
2つにギリギリ割れない150平米の土地が1,500万円だと平米単価10万円だが、ギリギリ2つに割れる200平米の土地だと4000万円で売れるから平米単価20万円と、広さは1.3倍でも、売価は2.6倍になるわけだ。
たぶん、車が2台無理なく停められて良い感じの中古戸建や古屋が安く出回らないのは、この辺の都合があると思う。