それじゃ新築戸建てが良いのか?
となると、必要な大きさにちょうどいい、現在の新築建売が良い選択なのか?というと微妙なところがある。
まず新築建売は私のような車が好きな/工作好きな人間には狭い。あくまで普通の人向けだ。
また、一見お買い得に見える新築建売だが、実はいまちょっと高いと思う。
2023年末から、新築建売の売れ行きが急激に悪くなっているという噂が飛び交っている。
2022年~2023年はコロナショックやウッドショック、住宅ローン金利の引き下げやら、住宅ローン減税やらで、一戸建ての需要が伸びていた。ところが金利引き上げ気配や原料高騰でブレーキが掛かっているという。
実際、近所の建売もいつまでも同じ物件を販売しているところがいくつかある。一応ちょっとずつ売れてはいるようだが・・・どのくらい値引いているかは不明だ。
そもそも需要がマンションに傾いているのは、落ち着いて考えてみれば当然だ。
一戸建てはデカイから合理的なのであって、小さくすればするほど集合住宅に劣る。
床面積が半分になっても、床や壁の面積、つまり表面積的な部分は半分まで減らない。なんでかっていうと、100平米の正方形の建物は10m×10mで、10mの壁が4枚である。仮に半分の50平米の建物について考えると、7m×7=49平米だから、7mの壁が4枚で28m。つまり30%しか減らないからだ。
昔よりマンションが売れるのも、要求される床面積が小さくなって100平米以下になってくると、一戸建てを作るよりマンションを作ったほうが経済的だと考えれば自然である。
なので、コンパクトな新築建売というのは売価こそお買い得に見えるが、資産としてみた時にはかなり苦しい商品だと思う。
資産性で考えると、やっぱり戸建ては減価が激しい。建物が木造であるってことと、外壁・屋根部分の比率が大きいからだ。木でできた外壁なんて消耗品でしかなくて、家が小さければ小さいほど消耗品部分ばかり増えて行き、消耗しない土地部分が小さいわけだから当然である。
それではマンションか
前述の通り、要求する家の大きさが小さくなればなるほど、戸建ては不利になっていく。
なのでお金のことだけを考えれば、本当は分譲マンションを買うのが一番お得である。
戸建てとマンションでは寿命が違うし、基本的に立っている土地の価値が違う。これから先、人口が減って、お年寄りが増えて、貧しい人も増える、そういうサドンデスが始まることを考えると、絶対的に駅に近いこと、便利な立地が重要である。
駅に近ければ近いほど価格が下がりにくく、駅から遠いと今も安いだろうが将来もっと安くなるか無価値になると思う。
駅に近いとなると土地は高くなるので、必然的にマンションの形になってくる。高さ方向も使えるわけだから、高額になる初期費用も按分して無理なく購入できるからだ。
管理組合が大変だった・・・
ただ、正直なところ分譲マンションには懐疑的だ・・・
というのも、私自身が一室マンションを所有していたことがあったからだが、マンションの管理に関する意思決定は理事会という住人の集まりが行う。管理会社が行うわけでは無く、基本的に理事会が管理会社に委託しているわけだ。
理事会は住民の中から選挙で選任されるが、基本的に誰もやらないのでほぼ立候補制である。
酷いと誰もやりたくなくて輪番制になる。
そりゃそうだ。同じ建物に住んでいるとはいえ、他の家庭の見ず知らずの人、いわば偶然同じ建物に家を買った人と、協議して色々決めて行かなくてはいけないなんて面倒臭すぎる。
町内会が面倒だと言うが、理事会に比べれば屁みたいなものだと言っても良い。
例えば大規模修繕になったら、どこを直すか、幾ら掛けるか、何千万円単位の話を相談して決めないといけない。もういろんな世代・世界の人が集まってくるから、年金暮らしでお金を掛けられないから何もしないで欲しいとか、オカルトグッズを付けるべきだとか、〇〇はいくらで何年保証の工事をすると約束したとか、もうカオスであった・・・。
会社と違って上下関係も無い。上下関係が無いってことは一見良さそうだが、議論においては害でもある。上下の“上”ってのは、責任を負う代わりに発言権/決定権に強い人間なわけだから、上下関係が無いと無責任な発言を封じる手が無い。ポピュリズムの弊害ってやつだな・・・。
下手をすればロクに社会経験も、科学的・経済的素養も無いような人たちと議論をしないといけない・・・地獄であった。
これから先、日本語が通じない外国人の人なんてケースも出てくるんじゃないのかな・・・。
管理組合は棄権して徹底的に無視するって手もあるけど、安くは無い管理費修繕積立金を訳の分からん使い方をされるリスクがあるとなれば、放っておくのは難しい。私には。
まぁ一種のミニ自治体みたいなものだから、政治に興味があるなら面白いかもしれない。
でもまぁ、私はダメだ・・・きつい。きつかった。
となると賃貸マンション暮らしか、注文住宅の2択
一方でマンションというのはやっぱり効率が良い居住形態だと思う。人類みんながマンションに住むべきではないかとすら思っている。
ただみんなが所有権を小分けにして持つという戸建て分譲スタイルは、前述の通り管理組合という弱点を持っているから、私は微妙だと思う。
なんかこう、所有者を限定できるというか・・・貧乏な人、アホな人、似非科学な人・・・には売らない!みたいなマンションだったら前述の問題を解決できると思うけど、そうもいかん。既にあるかもしれないけど自分には合わない価格帯だろうし、仮に自分に合う価格帯のものがあったとしても、将来収入が減ったら退去しないといけないような区分マンションを持ち家と言えるかどうかって話だ。
そう考えると、一棟丸々を地主個人か投資法人が所有している、賃貸専用マンションって言うのが一番合理的な形だと思う。今そんな建物に住んでいる。
地主さんが持っているマンションだと、地主は遊んで暮らしているかもしれないが・・・でも実際はそんなに楽じゃないと思う。
確かに客付けは不動産会社が、料金回収やクレームは集金代行業者がやってくれる、日々の清掃点検も管理会社に外注できる。修繕なんかもコンサル会社があって、依頼したら計画から全部提案してくれる。
基本的には全部外注できるから、大家は何もしなくていいのだが・・・実際には業者がちゃんとやっているかどうか調べたり、資金の計画とかは自分でやらないといけないだろうから、意外とらくちんという訳ではないのではないかなと思う。
逆の言い方をすれば、管理組合の面倒くささとか修繕積立金の運用リスクを、大家に外注しているのが、賃貸マンションと言ってもいい。