円と日本株の大混乱(2)

ここんところ、2つの経済的混乱があった。 直接生活には影響ないけど、ニュースでは報じられたのでみんな聞いたと思う。円の暴騰と、株(日...

の続き。

急に動いたのは信用取引のせい?

日本の利上げとアメリカの利下げ雰囲気で為替と株が動いたというのは、もっともらしいけれど・・・そこからプロが狼狽売りをしてこんな下げ方向に動くだろうか?という疑問があった。

そこで素人なりに考えたのが、やっぱり信用取引の影響かなと。

最近、この円と日本株の大混乱のせいで、青汁王子ことさんが破産した・・・という話が話題になっている。(実際には破産していなくて、単なる話題作りのような気がするけど・・・)

それについて話しているアカウントで「🍞信」が原因じゃないか?みたいな話があった。

「🍞信」って何なんだろう?と思ったら「パンパンの信用取引」=「パン信」という意味らしい。

そもそも信用取引とは・・・

そもそも信用取引って何だって言うと、株やFX、先物取引で現物取引以外の取引をする方法をいう。
もっと具体的に言うと、レバレッジを掛けて取引をすることと、空売りする取引なんかのことだ。

例えば100万円の預金がある場合、100万円分しか株などを買えない。まぁ当然だけど。
レバレッジ取引なら、100万円を担保に2倍とか3倍の株(商品)を売買できる。
ちょっと複雑な借金のようなものである。この時の倍率をレバレッジという。

なんでそんなことをするのかというと、もし「株が確実に1%上がる」と分かっていても、現金が100万円しか無かったら100万円分しか買えないから、1万円しかもうからない。
でも、レバレッジで300万円分株を買ったことにできれば、3万円儲かるわけだ。

特にFX・・・FXっていうのは為替商品、分かりやすく言えばドルを売買して稼ぐ方法なんだけど、売買単位が10,000USD、つまり150万円くらいなのでとっつきにくい。普通2~3円しか動かないから、150万円つっこんでも2~3万円単位の勝負になるので面白くないってことで、FXだと25倍とかすさまじいレバレッジが掛けられる。

このように値動きの数倍の利益が出せるのがレバレッジ取引。損したときも数倍になるけどね。

もう一つは空売りができるってこと。
現物取引は「安く買う→高く売る」しかないので、値下がり局面では利益を出す方法はない。ところが信用取引で株を借りて売却、あとで買いなおして返却という取引が出来て、これを空売りという。
つまり「高く売る→安く買う」という動きになるので、値下がりすれば儲かるという取引ができる。

このように投資に選択の幅を持たせるのが信用取引である。

詳しくは

信用取引はリスキーかな

そして私は信用取引を利用していないし、今後も利用するつもりはない。

大抵の失敗話というのは、聞いてみると信用取引。

さっきのとおりレバレッジが効くので、もうけも大きくなるけど、損が大きくなりやすい。
私はそれだけじゃなく、信用取引の強制ロスカットが怖い。

強制ロスカットとは・・・
先ほどの例のように、100万円の現金を担保に300万円の株を買ったと考えよう。
急激な値動きで、一時的に1割減になってしまったとする。つまり、300万円の株が270万円分になってしまったとする。

この場合、30万円の含み損(未確定の損失)がでたということである。
ここで値段が戻るだろうと分かっていたとしても・・・この30万円の含み損を担保の現金から引いたことにして計算される、担保の現金が70万円になったのと同じことになってしまう。
すると、“担保の3倍まで”しか借りられない契約だと、210万円分の株しか借りられないということになるが、既に270万円分の株を借りてしまっている状態になる。3倍までしか借りられないのだから、1/3の90万円の担保が必要で、20万円たりないわけだ。

こういう場合、担保を足すことを要求される。これを追加証拠金・・・略して追証という。

そして追証が払えない場合、売却決済が実行される。これを強制ロスカットという。

このように意図しない所で売りが実行されてしまうので、一時的な1割減の値動きでも1割減ったところで売却されて30万円の損失が確定してしまうのが恐ろしいところ。

もっと怖いのが、強制ロスカットのタイミングは証拠金が足りなくなった瞬間ではないということだ。実際には遅れて決済が入るので、例えば値動きが激しくて半額になったとすると、300万円の株→150万円で売却、損失150万円で担保の100万円を召し上げられた上に借金が50万円残る。そんなパターンが出る。

詳しくは↓

結局🍞信とは・・・

なので、普通は強制ロスカットを警戒して、信用取引だとしても担保で借りられる限界より余裕をもって少なめに信用売買するんだと思う。多少の上下は当然起こるから、普段の下げで評価割れしたら困るので。

どのくらい余裕を持たすかも難しいのだと思うけれど、一般的なラインよりもギリギリに近い人とのことを「🍞信」と呼んでいるんだと思う。

なので冒頭の青汁王子さんも、ある程度担保に対して余裕がある量の信用取引をしていたんだと思うけれど、今回の暴落までは想定していなかったということなのだろう。

なにわ金融道にもこの話出てくる

ちょっと古い漫画だけど、金融業者を主人公にした「なにわ金融道」って漫画にも信用取引で失敗する人の話が出てくる。
教頭先生が先物取引に手を出して、この時訳も分からず信用買いして…という話。

この人の場合はロスカットではなく狼狽売りだったけど・・・。

今回の乱高下の原因

なので、今回の乱高下には信用取引が絡んでいるんだろうなぁという予測。

①何かのきっかけに売りが一時的にドカンと強くなって、安くなる

②🍞信の人(証拠金一杯に信用取引している人)がロスカットで強制売りされる

③更に大きく株価が下がる

④余裕をもって信用取引しているプロ投資家・投資期間も証拠金が足りなくなってロスカットされるケースが発生しだす

⑤もっともっと株価が下がる

という動きをしたのかな。というわけだ。

この辺は何も新しい話じゃなく、投資をちゃんとやっている人には常識中の常識なんだと思う。
普段ちょっと株を買うぐらいには理解しておく必要が無かったけど、こういう急激な値動きが生じる可能性がある/生じる背景としてはこういうストーリーがあるということは理解しておかなくては。


※アイキャッチ画像はAIに書いてもらったんだけど・・・「食パンの雨という感じのアニメ風イラスト、人物は無しで。」というプロンプトにしたのに、少女が入った絵しか出てこなくて、これにした。アニメ風イラストってのが=制服少女って感じになっちゃうのかな。人類の業の深さを感じる。

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