ここんところ、2つの経済的混乱があった。
直接生活には影響ないけど、ニュースでは報じられたのでみんな聞いたと思う。
円の暴騰と、株(日経平均)の大暴落である。
円高
まず、円についてはGoogle先生より引っ張ってきた通り、7月頭から急激に上がり始め、8/6にピークを迎えている。
JPY→USDだと分かりにくいから、逆のUSD→JPYで言うと、7/9に1USD=161JPYだったのに、8/6には1USD=144JPYまでドルが安くなった(円が高くなった)
まぁ、長い目で見たら大した変化ではない。2023年末~2024年初頭に比べればまだまだ円安だし、2022年なんかはもっともっと円が高かったからだ。
のだけれど、後述の株の変動と合わせて激震が走った。
株安
8/6の円の小さい暴騰に呼応するかのように、日経平均・・・つまり日本の株価の傾向を表す指数が暴落した。4万円前後をうろうろしていた。これが7/31に39,000円→8/5に31,548と下がったのだ。
株は比較的値動きがある商品だけれど、こんなにボカンと下がるのは非常に珍しい。
実際に私もお小遣い程度の範囲で国内株を持っていて、評価益(仮に今売ったらこのくらい儲かるという皮算用)で+12万円くらい儲かっていたのに、ニュースを見てパッと株価を見たら+3万円くらいになっていた。
こういう時の鉄板は「損切」といって、下がりきる前にいったん売ってしまって、もっと安くなったところで買いなおすものなんだけど、そうすると損したことが確定しちゃうので、素人にはやりにくい。
また、どこまで下がるかも良く分からない。
日経平均35,000くらいで反転するという人もいれば、30,000以下まで行くという人もいる。
売ったタイミングより安いところで買いなおさないといけないので、先の動きが読めないと難しい。デイトレーダーみたいに24時間張り付けるなら、動きを見て買いなおせばいいが・・・私のように遊びでやっているとそんな根気は無いから、ある程度狙いを付けないといけないわけだ。
ところが、私を含め多くの人が、なぜ暴落しているのかが分からなかった。
[もっと下がる派]
・「高齢化する/人口減少で消滅する日本に、海外投資家が見切りをつけたからだ」
・「日本の没落が始まった/化けの皮が剥がれた」
・「世界政府はこれから日本に人工地震を起こすつもりだ」
・「日本政府の陰謀NISAで国民のカネを吸い取るつもりだ」
↓
・「もっともっと下がるぞー」
・「売っちまえ」
・「いや空売りしたら損を取り返せる」
(空売り=信用で株を借りて売却し、後で買い戻して返す取引。買い戻す際に安くなっていれば差額が儲かる)
と騒いでいた。
一方で、冷静な見方もあって・・・
[一時的なもんだろ派]
・「金利の利上げとアメリカの景気後退で何らかの調整が生じたのだろう」
↓
・「一時的にドカンと下がるが、数か月単位で見たらある程度戻るはず」
・「むしろ安くなったから買い時。買っとけ」
という派も多く、どちらかというと私は後者だったので、少し買い増した。
結果的に「一時的なもんだろ派」の言うような動きで反転して、8/16時点で私の評価益は+17万円ほどになった。
私は買い増すタイミングも遅かった・・・底じゃなく上がっている最中に買ったし、買い増しも30万円ほどと小並だったので、自慢できるところではないが・・・ただまぁ、格言に「落ちるナイフを拾うな(=下がっている最中に買って、利益を出すのはプロでも難しい)」というので、まぁ小銭を拾っただけマシかなと。頭のいい人はより資産を膨らましたんだろうなぁ。
さて、乱高下も一息ついて、結局何が起こったんだろう?と思った。
そんななか、Twitterになるほどこれかな?という解説があったので引用しておく
為替と株の大混乱の原因
円キャリートレード物語
— たにもと@投資ネコ (@Tanimoto_Inve) August 8, 2024
①昔昔、ある所にクロダというおじいちゃんがいました。
クロダはエンというお金を、超低金利で貸してくれました。
彼の国では深刻なデフレがあり、それを解消したかったのです。
お金が流通すれば、モノの値段が上がりますからね。
みんな、我先にエンを借りました。 pic.twitter.com/cMxJKHtbEb
②別の国に、パウエルというおじいちゃんがいました。
— たにもと@投資ネコ (@Tanimoto_Inve) August 8, 2024
パウエルは、ドルというお金の金利を5%と高めに設定。
彼の国ではインフレが激しく、お金の流れを減らしたかったのです。
お金が減れば、商人は品物の値段を安くしますからね。
パウエルの国は経済が強かったので、金利を高くする事ができました。 pic.twitter.com/T40OcLg7EQ
③クロダから借りたエンは、ドルに交換され、パウエルに預けられました。
— たにもと@投資ネコ (@Tanimoto_Inve) August 8, 2024
タダでお金を借りて、5%の金利で預けることが出来るからです。
みんなそうやって儲けました。
これが円キャリートレード。 pic.twitter.com/I56sBPUjTT
④暗躍したのは両替屋。
— たにもと@投資ネコ (@Tanimoto_Inve) August 8, 2024
エンがドルに交換されるタイミングで儲けるために、エン安・ドル高を進めました。
1ドルを渡す時にもらえるエンが増えるので、両替屋も儲かりました。 pic.twitter.com/GMYI0zS5nY
⑤ある日、クロダの任期が来ました。
— たにもと@投資ネコ (@Tanimoto_Inve) August 8, 2024
ウエダが引き継ぎました。
ウエダはクロダと同じく超低金利を継続。
ただ、流通するエンが増えすぎた弊害もあったので、少しずつ政策を修正しました。
ゼロ金利解除とか、YCC撤廃とかです。
でも、みんながエンを借りる動きは変わりませんでした。 pic.twitter.com/IQ7RdRBK0S
⑥ある日、エン安・ドル高が進み過ぎたため、ウエダはキシダに呼び出されました。
— たにもと@投資ネコ (@Tanimoto_Inve) August 8, 2024
「そろそろエン安をどうにかして欲しい。日本経済が大変なのです。」
と、泣きながら頼まれました。
本当に大変なのはキシダの支持率でした。 pic.twitter.com/jmWsPan3kY
⑦ウエダはしょうがないので、金利を上げる事にしました。
— たにもと@投資ネコ (@Tanimoto_Inve) August 8, 2024
「エン金利を0.25%に引上げま~す。それでもまだ低いでしょ。その後も、引き続き政策金利を引き上げま~す」 pic.twitter.com/SlxSY7AFek
⑧ちょうど同じ頃、パウエルの国は景気後退が懸念され始めました。
— たにもと@投資ネコ (@Tanimoto_Inve) August 8, 2024
パウエルは、逆に利下げを仄めかし始めました。
「9月になったらドル利下げするよ~ん。12月もまたするかもね。」 pic.twitter.com/YFIGjLedey
⑨慌てたのはエンを借りて、ドルで預けてたみんな。
— たにもと@投資ネコ (@Tanimoto_Inve) August 8, 2024
ドル利下げなら、預けてても儲かりません。
エン利上げなら、貸りたままだと利息がどんどん取られます。
たまったもんじゃありません。
みんな我先にと、預けたドルを引き出し借りてたエンを返しました。
これが、円キャリートレードの解消。 pic.twitter.com/Vr1rhjgFNe
⑨動きが早かったのは両替屋。
— たにもと@投資ネコ (@Tanimoto_Inve) August 8, 2024
円キャリートレードが解消されてくのに合わせて、エン高・ドル安のレートを付け始めました。
これで、みんながドル⇒エンにお金を交換する時に、ぼろ稼ぎしました。 pic.twitter.com/4wkqwfUj0i
⑩ここで動揺したのは、海外にいる日本株の投資家。
— たにもと@投資ネコ (@Tanimoto_Inve) August 8, 2024
エン高・ドル安が進むと、日本株で儲けても、ドルに交換する時に損します。
そんなの嫌なので、慌てて日本株を売り、ドルに交換しました。
結果、日本株は大暴落。 pic.twitter.com/TQ8rqB5WND
⑪一連の動きを見て、慌てたのはウエダの友達のウチダ。
— たにもと@投資ネコ (@Tanimoto_Inve) August 8, 2024
「みんな慌ててるね~。こんな状況では、これ以上の利上げはしないから安心してね~」
と、言って回りました。
結果、日本株の暴落は一時的に止まりました。
エン安・ドル高からの、エン高・ドル安への急変動も、少し収まりました。 pic.twitter.com/eXA4WToLJV
というわけ。
根底に日本だと殆どタダでお金が借りられるから、日本で借りる→USDに変える→アメリカで投資する という流れがあって、これをキャリートレードって呼んでたわけだな。個人ではもちろん投資用にお金を借りるなんてことはできないけど、ヘッジファンドとか銀行レベルならそういう取引が出来ていたのだろう。
ここで、借りた日本円にやっぱり金利乗せるわとか、アメリカでの投資の利益減りそうだわとなったら、赤字になる前に返済しようという動きが生じるのは納得である。この動きが生じると返済のためにドルで円を買うから、円高になっていく。円高になるほど返済に必要なドルが増えて行くわけだから、やべーのんびりしていると円高が進んで返済に莫大なドルが必要になるぞ!と我先にドル→円→返済に動こうとして、急激に円高になった・・・というのは説得力がある。
そうすると、円高に振れて日本株を持っている海外投資家は・・・あれ?円高になったら同じ株価ならドルに換金するときに儲かるから、上がりきるのを待つのが自然では?と思っていたら、コメント欄にもそういう議論があって、10番は誤りのようだ。
急激に動いたのはロスカットの影響も
ここで、プロやセミプロの投資家が、乱高下したくらいでみんな一斉に売るだろうか?と思わないだろうか。少なくとも私はそう思った。
ロスカットの話まですると長くなるのでこの辺で・・・