ギリギリ通勤圏

なんかみかけたバズっている投稿
昔の「通勤圏」は凄く広かった。時代とともに「通勤圏」は小さくなっている。というもの。

確かに、限界ニュータウン特集なんかだと圏央道近くとかの「えっ?そこから都内に通勤するのはムリだよね!?」というようなところにニュータウンがいくつも開発された。
そのうちいくつかは生き残っている。

そして現在の感覚だと、無理して通えるかな・・・というのが緑の線。おおよそ国道16号線圏内である。という話には同感だ。

もちろん、本音は緑より内側に住みたいところだが、この辺で駅近一戸建てを買おうと思うと凄い値段になるし、渋滞もひどい。なのでそのせめぎあいの中で、ギリギリ有りなのが緑だろう。

その令和のギリギリ通勤圏の現状はどうなのだろうか・・・
タイムリーに東のフチの八千代市の服部市長のインタビューがあったのでメモしておく。(2024年9月25日)

有料記事なので、以下に私の補足を含めて要約しておく。

  • 八千代市は東京のベッドタウン
    (千葉市への交通の便は考えられておらず、あくまで東京用)
  • 第三の発展期を招きたい。
    • 発展期の一回目は1950年に京成電鉄が八千代台団地を造成。
      このとき人口は一気に増加したが15万人から横ばいであった。
    • 発展期の二回目は1996年に東葉高速鉄道が開通
      3つの新駅が開業し、20万人に増える(今でも増え続けている)

      順調だが頭打ちな現在。
  • 市長の心配事
    • 東葉高速鉄道の運賃が高い。
      • ベッドタウンなので、通勤通学層に便利な街にする必要があるから、運賃が高いのは困る
      • 東葉高速はまだまだ借金が多く、運賃を値下げできない。
        • それどころか2031年に現金が足りなくなる危険がある。
          (線路とかの固定資産があるから債務超過では無いんだろうけど、支払いができないと倒産する。)
      • 儲かっている東京メトロに買い取ってもらうのが理想的だが、他の事業でお金が無いので、買いたくても30年くらいは無理だと言われた。
      • 国に支援を要請したが、音沙汰無し。
    • 東葉高速鉄道沿いの開発が予想のペースを超えている
      • 保育園・幼稚園が足りない。待機児童数は全国ワースト2位(2022年時点)
        • 保育園の誘致を進めて、2024年時点ではだいぶマシ(1/10)になっている。
      • 小学校も足りないが建設中。
      • 中学校も足りないから建設を検討中。
    • 京成本線沿線がさびれ始めている
      • 1950年ごろに入植した人たちが一斉に高齢化している
        • 空き家問題も発生し始めている
      • 駅前に集中して賑わいを取り戻すための『京成本線沿線まちづくりビジョン』をスタートした。

まずベッドタウンうんぬんにしてはそのとおりで、東京駅まで乗車時間40~50分である。
今時こんな時間を通勤に使うなんてパワフルな若者がどのくらいいるんだろうかとも思わなくないが、一方で週1出社とか、用事があると置きだけ出社といった今時の働き方をするのであれば、まぁ十分な距離であるような気もする。

東葉高速に関しては結構心配事が深いと思う。
まず、東葉高速鉄道は快速運転が無い。もうこれ以上輸送力を増やすのは難しいのだ。
駅も基本的に車両基地の有る八千代緑が丘駅以外はホームが1個ずつしかない駅で、追い越しができない。
今後、海老川駅とか新駅が建築中だし、駅間が長い区間がいくつかあるから、他にも新駅ができるかもしれない。すると、もっともっと遅くなる危険がある。
そこに来て資金繰りの問題まである。なかなか問題が大きい気がする。

特に鉄道会社の運賃だとか経営が危ないだとかっていうのは、市ではどうしようもないからなぁ・・・


八千代台・大和田エリア・勝田台については確かに高齢化は結構進んでいるが、あんまり大きな問題では無いような気がする。

この3エリアで空き家を探したのだが、実は言うほどない。
少なくとも駅徒歩圏内には、数百万で取引されるような、無料でも要らない負の不動産は無い。

八千代市は結構広いので、駅徒歩20分以上やバス便エリアまで視野を広げると、数百万円でも買い手が付かないだろう・・・という物件はそれなりにあるのだが、こういう物件が将来の街の発展に大きく影響するかというと微妙だと思う。
もちろん、市内をくまなく散策すると、いくつか草木が生い茂って明らかに住んでいない家もあるにはあるのだが、大抵は一応売りに出ている。坪単価50万円くらいと強気な値段だから売れていないが、2割も下げれば売れそうな気がする。

それに街を歩いていると、ものすごく建売が目立つ。
ストリートビューに反映されていない建売も非常に多く、たぶんここ5年くらいで駅近の土地の1割くらいが建て替わっていると言っても過言ではないんじゃなかろうか?ってくらい建売が多い。

どうも京成沿線の分譲地は基本的に50坪~60坪のようなのだ。古い分譲地だから、昔はこれくらいが最低限の大きさだったのだと思う。
これが昨今は核家族化で25坪~30坪くらいの家が丁度よくなった。このため、昔の区画を丁度半分に割ると2軒作れるので都合が良いのだろう。特にこの年代の住宅地は、道路に面している部分が広めの4:3の長方形くらいの土地が多いから、半分に割るのに都合が良いのだろう。

というわけで、枯れた木が倒れて抜けた部分に新芽が出るように、新しい家が建っている。


緑エリアが東京への通勤圏であると同時に、その少し外・・・黄色あたりが東京に関連する、物流・製造拠点の帯になっている・・・という事実もあるのかなぁと思った。
そこへの雇用もあるから、なんだかんだで黄色・紫帯のエリアもそれなりに需要があるのかな。

今後どうなっていくのだろうか。

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