全国ニュースになっていた・・・千葉の清掃車が流転した件。
電動パーキングブレーキのワイヤー切れだという。youtubeの動画の途中に、ドラムブレーキ内部でワイヤーが切れている絵が写る。
始めて動画を見た時は、「そうかぁ、手動だったらワイヤーが切れてブレーキが効いていなければ、レバーがスコッと上がって気づくが、電動だと分からんのだなぁ」などとみていた。
ところがだ。
うえの岡電さんのブログに
「手動なら調整も簡単だし・・・」
という記述があって、まぁ簡単っちゃぁ簡単なんだけど、左右の利きを合わせようとすると結構大変なんだよなぁ・・・などと思って、おやっ?と思った。
というのも、乗用車の手動用のパーキングブレーキってこうなってる。
レバーを引っ張ると、レバーの根元部分についている引っ張り棒がプッシュプルワイヤーを引っ張って、ドラムが作動する。
プッシュプルワイヤーっていうのは、自転車のブレーキなんかにも使われている奴で、外側を抑えて芯のワイヤーを引っ張ると、反対側では芯が引っ込んで外側がせり出してくるようになるワイヤー。
ま、そんなことは置いといて、普通はサイドブレーキのレバーに2本繋がっている。左のパーキングブレーキと右のパーキングブレーキは全く別々のワイヤーで引っ張っている。
つまり、どこか1カ所は切れても、もう片方はブレーキが掛かるようになっているのだ。
左右のパーキングブレーキを調整するのが難しいという話につながっていて、この2本を引っ張るメカは殆ど遊びが無い。うまく説明できないけど、もし天秤みたいになっていれば、多少左右の調整がずれていても、天秤が傾いて同じ具来の強さで引っ張ってくれる。
実際はそうじゃなくて剛結になっているから、片方の調整がキツイ(ワイヤーが短い)と、そっちだけ引っ張って、もう片方は遊んでいる(ブレーキが弱い)状態になる。
まぁ、ワイヤーの伸びとかパッドのたわみとか、ばねのように作用する部分のお蔭で、そんなにシビアにピッタリ合わせなくても、両方のサイドブレーキは効く。だから本来の用途で使うなら確かに調整は難しくない。
天秤上になっていない理由は、片方のワイヤーが切れたときに機能が失われないようにするため、敢えてそうしているんだろう・・・。
でまぁ本題に戻って来るけど、上の手動のブレーキを電動化したのであれば、一本のワイヤが切れただけなら、サイドブレーキが利かないという事態にならないはずだ。
とすると原因は
①1本切れると左右のサイドブレーキが利かなくなる構造だった
②1本切れて片方のサイドブレーキは作動していたが駐車できる制動力が無かった
③サイドブレーキは片側にしかついていなかった
④すでに1本切れていて、2本目も切れた
あたりだと思う。①~③は設計ミスだろう。④は製造不良としか言いようがない。