ツーバイフォー木工の基本5/ソーガイドは必買

こんにちは。
ポケットホールで熱くなっちゃいましたが、ツーバイフォー木工でもう一個必須のツールがあります。
それは切断に使うソーガイドです。
無くても切れると思うかもしれませんが、それは切れていると言いません。


ソーガイドとは

私がソーガイドと呼んでいるのは、ゼットソー工業の製造販売している、ゼットソーガイドのことです。

これはノコギリと、専用のガイドのセットで販売されている商品です。この組み合わせでノコギリを使うことで、革新的なほど簡単綺麗に切断できます。

似たような商品でマイターゲージというのもありますが、これとは比較にならないレベルで高精度に切れます。
ちなみに、ゼットソー以外で私がお勧めする構造のものは、見たことがありません。

そもそもノコギリは難しいのか

皆さんノコギリって使ったことありますか?
私は子供のころ木工クラブで散々使ったほか、祖父が(風呂)大工だったので、ノコギリを教えてもらいました。

ノコギリって力のイメージがありますが、意外と繊細というか、厳密なフォームが要求されるんです。

普通にノコギリを使うと、並みの腕では次の3つの問題が出ます。

①断面がガタガタになる
②のこ挽きに力が要る
③断面が垂直にならない

①断面がガタガタになる。

ノコギリを使うときの基本フォームは、左手・左足で材を固定して、右手でのこを引きます。つまり下図のような姿勢です。

(イラストを可愛い女の子とかにしたほうが人気が出そうですが、自分の画力ではこのとおり連続殺人犯みたいのしか書けません・・・)

この捻じれた姿勢で、ノコギリを正確に前後にスライドさせるというのは、実は難しいんです。
上から見た場合を想像してもらえば、なんとなくわかってもらえると思います。体と材の位置関係の都合上、どうしてもノコギリを手前に引くと、体の外側のほうにブレてしまうのです。

結局、引き始めは図でいう左側にあたり、引き終わりは右側にあたるということを繰り返すので、結果として切断面に歯筋が付きます。これが大げさに言えばガタガタになるという奴です。

これはよっぽどうまい人じゃなければ、どうしても出ます。上ほど酷いことにはなりませんが、基本的には軽くやすり掛けをしないと、ノコギリの模様が分かってしまいます。

②のこびきに力が要る

次に、のこ挽きって結構力が要ります。下手なら特に。

純粋に木を粉砕する力も必要ではあるのですが、それにまして加わるのが歯と材の摩擦です。

どういうことかというと、ノコギリの切断ラインは熟練しないと真っすぐにはなりません。従って、下書きに書いておいた線をなぞる様に修正しながら切るわけです。

そうすると、ノコギリの切ったラインは微妙にクネクネしてしまいます。これが悪さをするわけです。

通常ノコギリは、材と本体が擦れないように工夫されています。
これは“アサリ”と呼ばれる、歯を交互に外側にちょっと曲げている加工によるものです。

ノコギリ本体の鉄板よりも“アサリ”の分だけ広く材が削られるので、ノコギリ本体の鉄板が材に擦れないというわけです。

という訳で、歯の部分以外より切断部分が微妙に部分が広いので、真っすぐな場合は、ノコギリと材に摩擦は生じません。でも、切断部分がクネクネしていると、微妙な隙間が局所的に足りなくなって、そこのところが擦れてしまいます。

こうなると、木材で強力に挟まれているようなものなので、いくらツルツルのノコギリでも、結構重たくなります。

初心者がある程度長い切断をしようと思うと、場合によってはこれで進むのがトンでもなく大変になってしまいます。

③切断面が垂直にならない

これはシンプルかつ致命的な問題です。

人間がやるので、どうしても真っすぐになりません。少し切り進んでから、斜めになっているのに気づいたりします。

また、手のブレや傾きの修正をしているうちに、材の切断面が丸くなってしまうことすらあります。

古来の木工では、これをカンナで修正していました。でも、私の提唱するツーバイフォー木工ではSPFといった柔らかくカンナに向かない材を使うので、最初から直角に切るのが重要です。

これらの問題はソーガイドで解決

ここまでツラツラ述べた3つの問題は、ソーガイドを使えば解決です。

ソーガイドを当てるだけで、歯は自動的に材に対して直角に固定されます。誰がどうやっても、真っすぐかつ直角にしか切れません。

もう解説のしようがないほどに、明らかな現実です。

ホームセンターのカットサービスよりも、きれいに切断できます。もう絶対買ったほうが良いです。ノコギリを既に持っていても、それを捨ててでも買ったほうが良い。

類似品はダメ/ゼットソーが良い

で、私はゼットソーの回し者じゃないんですが、ゼットソーのタイプを買ったほうが良いです。似たようなものでマイターゲージとか、ゼットソー以外のソーガイドという製品もありますが、とにかくゼットソーのものが良いです。

※似たようなのと言えば、こういうのとかです。

私も全部試したわけではないのですが、ゼットソーのソーガイドにしかない特徴があります。

ゼットソーのソーガイドは、ノコギリのアサリがないところをつかんでいるのがミソなんです。
このため、ノコギリにガタが生じず、どうやっても超高精度にスライドさせることができるんです。

類似品は基本的にアサリの部分が通れる幅のガイドになってます。
アサリが通れるということは、その分ガタがあるってことです。僅か0.5mm程度でしょうが、このガタがどうしても切断精度に出てしまいます。

おまけに、アサリがガイドにあたるので、ガイドが削れます。
基本的に、ガイドにノコギリが強く当たらない程度に、正確にのこ挽きできる人でないと、十分な精度は出ないのです。

ということで、ゼットソーのソーガイドが良いわけです。もしかしたら中華パチモンがあるかもしれませんが、重要なのはアサリのない部分を高精度にガイドするソーガイドということです。


具体的にどれを買うべきか

現在、ゼットソーのソーガイドは4種類あります。何れもノコギリと専用ガイドのセットです。どれもソーガイドとしての機能は一緒ですが、微妙に機能が異なります。

私はソーガイドとソーガイドミニを所有していますが・・・どれをお勧めするかはちょっと悩みます・・・。各自判断頂きたいので、わかりやすく下表のとおりまとめてみました。

名前 ソーガイドベスト
ソーガイド
ソーガイドF
ソーガイドミニ
価格 定価¥9800
実売¥5500
定価¥5310
実売¥3200
定価¥9980
実売¥4500
定価¥6240
実売¥4000
付属
ノコギリ
265mm
175mm
(両用)
265mm 265mm 175mm
角度切り 水平45度切 水平45度切
垂直45度切
水平自在切
垂直自在切
水平45度切

まずノコギリは刃渡り265mmと175mmの二種類あります。互換性はなく、ソーガイドミニに265mmは使えませんし、ソーガイドに175mmは使えません。
刃渡りは長いほうが、のこ挽きは楽です。でも、違いは大きくありません。

あとは角度切りです。直角切りは全てできますが、垂直方向に角度を付けられるのは、ソーガイドとソーガイドFだけです。また、ソーガイドFに限って角度を90度と45度以外にすることができます。

そう考えると、ソーガイドFが良いようにも思えますが、調整可能ということは、90度や45度にするにも調整が必要ということなので・・・必ずしも良いとは言えません。大抵90度と45度しか使わないでしょうから、それなら調整が不要なソーガイドF以外を選ぶのが良いと思う訳です。

という訳で、最初の一個としてはソーガイドが良いんじゃないなかなぁと思いますが・・・ソーガイドベストかソーガイドミニでもよいと思います。

この辺はお財布と考えている木工次第ですね。


まとめ

とにかく、切るならソーガイドを買うべし。すでにノコギリを持っていても、買うべし。圧倒的な使い勝手と、異次元の切断精度を得られます。

私はマキタの充電丸ノコも持ってるのですが、98%くらいソーガイドで切断しています。丸ノコのほうが切るのは速いんですが、切断面をヤスリで整える手間を考えると、ソーガイドでカットして切りっぱなしのほうが楽なんですもん。

種類があって悩むかもしれませんが、その時は一番安いセットでいいと思います。

おしまい

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