嫁さんの在宅用ディスプレイにしていたRDT234WX-Zが映らなくなってしまいました。
嫁さんいわく、家で仕事中にチラチラっとしたと思ったら、突然真っ暗になり、以降電源も入らなくなってしまったと。
仕事にはいいディスプレイを使ってほしいなと思って、昔買った三菱電機のディスプレイを使わせていたんだけれども、とうとう寿命か・・・
過去の日記を漁ったら2014年3月19に東広島のパソコン工房の在庫処分品として¥29,800で購入したとある。
在庫処分というのは、昔は三菱電機もパソコン用液晶ディスプレイを販売していた。これが2013年末に撤退すると言って作らなくなったのだ。このため、売り場を潰すとか将来的なサポートの面とかがあり、たたき売りになっていたのだ。
https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1312/05/news134.html
このRDT234WX-Zは比較的拘った機種で、一般市販相場は5万円前後だったから、結構いい機種だったと思う。壊れたのが2023年9月18日だから、9年ほど使った計算になりまぁ元は取ったかなと。
とはいえ、壊れているで終わらず、どこがどう壊れているのかのか調べるのがエンジニアの常である。
というか、私も三○系にいたこともあり、ココのメーカーというのはいつも「わきが甘い」という特徴があると思っている・・・。わきが甘いというのは、大抵コアな重要な部分は重厚長大に作ってあるんだけど、アクセサリーというかオマケ的なところが雑で、そういうところが壊れて動かなくなったり、トラブルを起こしたり、全体の評価を下げることが多い、という意味である。
今回でいえば、「突然電源が入らなくなった」というところが臭くて、制御用の12Vや5Vを作っているような基本的なスイッチング電源部分だとか、基板間のケーブルやコネクタといった、割と原始的なところが壊れたんじゃないかと推定した。そういうところなら修理できる。
なので、いきなり捨てずに分解してみた。
分解はやはり国内メーカーなので接着などはされておらず、ネジを3本抜いてあとは爪を外していく感じだった。ツメを外すのに苦労して傷が入ったが・・・とりあえず破壊せずに分解した。
試しに電源ケーブルを指すと、刺した瞬間にわずかにジッという音がするし、電流も一瞬流れる。手持ちの計器だと電流は計測できないほど小さいけれど、初期励磁っぽい音も出るし、直流電源は生きているのではないだろうかと考えた。
次に疑うところは色々あるが、なんとなく電源スイッチの接点を短絡させてみたら、普通に電源が入った。驚いた。
なぜなのか更に探ってみると、パターンから4本足のうちの1本と残りの3本が導通する構造のタクトスイッチを使っていることは明らかなのだけれども、基板に載せたままテスターで押してもオープンのままだ。
なんども連打すると、稀にクローズするようだけれど、テスターの足が変なところに接触したのかちょっとわからない。
半田をガシャガシャの吸い取り機で抜き取り、スイッチを外してみたが・・・スイッチが完全に死んでいて、どの足の組み合わせでも開放のままだ。
電源が入らなくなってしまった原因は恐らくこれだ。冗談みたいな話だけど。
調べてみると、隣の入力切り替えスイッチも死んでいる。その更にとなりのOSB系のスイッチは生きている。なんだこれ。
しかし、しょっぱな突然電源が切れてしまったのは、このスイッチのせいで単純な説明がつかないんじゃないかという気がするが・・・まぁいいか。まぁ、この辺が雑な私というか、とりあえず電源が入って映ればいいから、スイッチを挿げ替えて様子を見ることにした。
さて、スイッチをすげ替えるといったものの、垂直実装用のロングタイプという変態仕様のタクトスイッチなので、パッとWebで探したが同じものが無い。
じゃあまぁ動けばいいから、適当な奴を配線引出しして付けるか・・・と道具箱をガサガサしたんだけど、2個セットで良い感じのやつが無い。
固定の仕方も面倒くさそうなので、もっと普通のスイッチ無いかな・・・と思ったら、何年前かの予備品処分で捨てられた廃部品から拾ってきたIDECの16mmスイッチがいくつかあったら、これ使ってみることにした。
16φのスイッチって相当久しぶり。
私がこの仕事を始めたころはまだタッチパネルが主流じゃなかったから、こういう小さいスイッチをずらーっと並べて操作盤を作っていたんだけど、最近はタッチパネルが普及して使わなくなった。
試しに押してみるとニチャって押し心地が懐かしく、科学館とかで解説が始まったり、展示が動きだしたりするときのスイッチの感触に近くて、妻にも好評だったのでこれを付けることにした。
とりあえずスイッチの穴からリボンケーブルを通して、適当にハンダ付けして完成。
盤用のスイッチは頭と配線部分が分かれるから、あらゆる意味で便利だ。
あとは復旧するだけ。
復旧は背面のフタは着脱が面倒くさいし、蓋が無い分薄く付けられると思って、フタ無しでいきなりフレームに釣りブラケットを付けた。
釣りブラケットというのは、モニターをデスクの上棚から吊るようにして取りつけるためのブラケット。上棚の下面に相手側のJ字の部品をネジで止めて合って、このブラケットをかみ合わせて吊っている。3Dプリンタで作った。一応、簡単には抜けないようになっていて、仰角調整機構も付いている。
さて、あとはスイッチのケースを3Dプリンタで適当に作って組立た。
そのままだとボタンが何なのか分からないので、テプラで適当なアイコンを印刷して完成。
ピッチの設計を間違えたのか、誤差なのか、スイッチが微妙にちゃんと並ばないんだけど・・・まぁいいか。
このしっかりしたスイッチで電源が入り切り出来て、入力切り替えもこのスイッチでやるとなんだか気持ちが良い。結構良いかもと思った。
しかし机の周りケーブル多いな・・・なんとかしてあげよう。