docomo光を騙った勧誘電話

普通に仕事をしていたら個人携帯に電話があった。
まぁ、結論から言うと、久々にかなりグレーゾーンな勧誘電話だった。


突然個人携帯に 0800-7○0-2726という電話が掛かってきた。

出てみるとちょっと訛りのある日本語で
「docomo光のものです。このたびdomoco光においてお得な変更があったのでご案内しています。」

みたいなしゃべり口から始まり、
「以前はdocomo光は、別にプロバイダーを契約しなければならなかったのですが、こんどプロバイダー不要になったのでお得になります。ただし、今お使いのプロバイダーで特有のサービスをご利用いただいている場合などはそれが利用できなくなるため、そのようなお客様には提供できません・・・」

という形で、光TVは使っているか?固定IPなどのサービスは利用しているか?ホームページやメールは使っているか…などと聞いてくる。

ちなみにプロバイダーとはインターネット接続サービスのことである。
インターネットを利用する場合は、確かに回線とプロバイダーの2つが必要だ。

例えるなら回線というのは道路通行料みたいなもので、プロバイダーというのがトラックやタクシーの運賃のようなものだと思ってもらえば良い。交通手段として利用するなら、両方と契約せねばならないし、別々の会社になるのも頷けるだろう。

ここで妙だな?と思ったのが、ドコモ光というのはそもそもセット商品なのである。
ドコモ光 という名前だが、中身は「回線:NTTフレッツ光」+「プロバイダ:GMOネット」というわけで、ドコモ光という名前の回線が存在するわけではない。
まぁややこしいことに、プロバイダは選択できるので、ドコモ光を契約していれば必ずGMOネットがプロバイダーとしてセットされているわけではないのだが・・・

で、「このあとSo-netのものから契約の案内のお電話が掛かってまいりますので、対応をお願いします。」と言い捨てて切られた。

もうおかしいよねコレ。So-netはプロバイダだから。プロバイダ不要になりましたっつってんのに、プロバイダと契約しろって言っている。


ググったら勧誘業者だという。まぁそんなところだと思ったわ・・・
このあと何をされるのかちょっと不安だったけど、その不安は比較的すぐ解消した。

しばらくしたら、0800-○80-7942という番号から電話が掛かってきた。

「So-net光の契約手続きを勧めさせて痛くためにお電話しました。セーリングペイフォワードと申します。ご本人様ですよね」

と始まるので

「本人ですが、私の名前は御存じですか?」

と聞いたら、いや聞いていないと。教えてくださいと始まる。なんだこいつ。
さきほどドコモ光を騙った営業電話が掛かってきたのですが、それと関りがありますか?ドコモ光のまま契約を一部変えると言っていたけれど、ドコモ光のセットにSo-netは無いハズでは無いのですか?

と聞いたら「ドコモ光商会様というちゃんとした会社からの取次ぎです。騙ってなどいません。お客様はお電話口での対応が難しいので、これで失礼します。」と言って終了した。


まぁ、いわば悪質営業電話ってやつだな。ただ、悪質ってほどではないような・・・グレーかな。

ここからは推定になるが、光回線の乗り換え代理店なのだと思う。
光回線の乗り換えで調べるとわかるが、乗り換え契約を採るために必死にキャッシュバックだとかポイントだかをつけてくる代理店が一杯ある。

つまり、光回線の客を呼び込むだけでマージンが貰える商売になっているのだ。
家電屋でも回線を変えるなら値引きしますとかあるだろう。

これが昔は結構もうかる商売だと聞いた。だが、昨今は価格.comなどで横並びに比較されてしまうので、特典にコストを割かれて儲からなくなってきているのだろう。

そこでだ。ある程度シェアが高いネット回線を騙って当てずっぽうに電話をかけるわけだ。
ドコモ光は前述の通りセット商品であるから、どんなプロバイダ・回線の組み合わせだろうとしても、どれもドコモ光だからだ。10人に聞いたら数人はドコモ光を使っているかと言われれば、そうだと答えるだろう。

ここで旨いこと勘違いさせて、特典なしでSo-net光に乗り換える契約を採れれば、キャッシュバック等の持ち出し無しにマージンだけ受け取れる。なかなかうまい商売だ。

これが「オレオレ詐欺」とか「給付金詐欺」のように露骨に相手に損をさせる商法だったら、比較的短期間に捜査の手が伸びてくるであろう。しかし、ちょっと勘違いをさせてネット回線を切り替えるだけだから、たぶん違約金縛りが生じたり、セット割が外れたりと、被害者の損は微々たるものなのではないかと思う。下手をすると本当に安くなる人も居るかもしれない。となれば、まぁなんとかやっていけるのであろう。

会社名についても、確かに「株式会社NTTドコモ」の従業員では無いのに、「株式会社NTTドコモのドコモ光サービスのものです。」と言ったら、それは詐称になって犯罪だが、例えば「合同会社ドコモ光商会」 という法人を登記して「ドコモ光」のものですと略して名乗ったとすれば、それは直ちに犯罪とならないと思われる。極端なことを言えばNTTドコモ株式会社で登記して、「NTTドコモのドコモ光サービスです」と言ったって良い訳だ。

ちなみに最初から最後まで使い捨て会社だとマージンの受け取りに支障をきたすとか、焼き畑的に移動するときに困るなどと言った都合で、2社使っているのではないだろうか。とりあえず、仕組み的には悪くない気がする。


ただまぁ、昔はもうかる商売だと書いた通り、インターネットの普及期には先駆者たちが分け入ったブルーオーシャンだったのだ。そのころを思い描いて煮えたぎった海で商売をしているのは、果たして頭が良いのか悪いのか・・・。

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