土地の購入資金は土地を借りる担保として差し出しているだけで、消費ではないと述べた。
ただ、これは「土地が買ったときと同額で売れる」という前提に基づいている。
1,000万円で買った土地が1,000万円で売れたら、消費ゼロだけど・・・
100万円で買った土地がタダでも売れなかったら、消費100万円というわけだ。
売却する予定が無くても、将来お金に困ったら土地があれば担保にお金を借りられるし、いくらで売れるのかというのは非常に重要である。だが、将来の需要に左右されるから、正確なところはわからない。
確実な未来は分からないから、ついつい考えるのを避けてしまいがちだが、それでもある程度の予測はできるので、予想に基づいて戦略を立てねばならない。
この将来価格の予測は一気にやろうとすると難しいから、成分を分けて
①現時点での相場がいくらかと、
②将来どう変化するか、
この2つに分けて考えるべきであろう。
少なくとも①は未来の話ではないから、ここはしっかり考えるべきだろう。
賃貸物件の場合は利回りで価値が値段が出せる
しかし、不動産の価格というのは難しい・・・定価があるわけじゃないし、同じものが二つとない。しかも趣味性も高いと来たものだ。
例えば収益物件と呼ばれる、人に貸すのを目的としたマンションの場合は、賃料÷利回りで値段が決まる。利回りというのは、その収益物件を買うのにつぎ込んだお金が、1年に何パーセント回収できるかを示したもの。例えば1000万円の物件で50万円儲かるなら利回りは5%と表現され、1÷5%=20年でつぎ込んだお金を回収できるということになる。
利回りは地域や景気に左右されるが、首都圏でいまなら3~5%くらいだろう。仮に4%とすると、月々5万円で貸せる部屋は年60万円だから、部屋の値段は1500万円になるし、月々10万円で貸せる部屋なら3000万円といったところになる。実際には駅徒歩とか修繕積立金の総額とか、いろんな修正要素を受けるのでばらつくが、概ねこのように決まってくるので分かりやすい。
マンションなんかは利回り+類例から相場が予測できる
この方法を利用すると、マンションなどはだいたい相場が見えてくる。
近隣の似たようなスペックの部屋の賃料を調べて、利回り5%くらいの地域なら月家賃×12か月×20でだいたいの価値がわかる。もっとも、これは「これくらい安ければ投資用として投資家が買う」という金額であって、お金がかかってもいい物が欲しいという事故居住用の場合はもう少し高くなるとみていい。