過払い金のCMばっかり

こんな投稿があった。

そう、確かにラジオを聞かなくなった。

私は千葉なのでbayFM78などが好きで、ぴーひょろの錆当てクイズとか、いざ電話をすると誰も出てくれない低温ラジオとか好き。

だけど、ホント過払い金のCMが嫌で、気づくとラジオをほとんど聞かなくなっていた。

ふと、そもそも過払い金ってなんなんだっけ?確か昔は違法か合法かグレーだったやつが、後から違法だったってことになったのが過払い金だったはず。
そのうち尽きるんじゃないのか?こいつらいつまでやるんだろう?

と思ってちょっと考えてみた。


そもそも過払い金って何だったんだ

まず過払い金だ。

先日、ローンは手数料部分にも・・・というところで、なにわ金融道の金利40%→12%の大幅割引に見せかけて実質36%という話を引用したけれど、今は金利が40%というのは違法である。

金利は上限を制限する法律がある。
その上限を決める法律がなぜか2つあるのだ。出資法と利息制限法だ。

凄く雑にいうと、投資に関する法律が出資法、借金に関する法律が利息制限法だ。
別々の切り口から金利に定める法律ができてしまったのかな。

2024年現在では出資法による金利の上限は年利20%、利息制限法による金利の上限は金額により分かれて、100万円以上は15%、10万円以下は20%、その間は18%となっている。

100万円以上に限って考えると、現在でも出資法の20%と利息制限法の15%の、異なった2つの上限がある。例えば住宅ローン金利が上がったとして16%の金利は可能なのか?と考えるとどうだろうか。
まぁ、普通に考えて厳しい方が適用されるので15%を超える金利は違法である。従って、法律が変わらない限りは、どんなに爆上がりしても金利が年利15%以上になることは無い。

ところが2010年まではハッキリと「厳しい方の法律が適用される」と定まっていなかった。このため、利息制限法の上限を超えて、出資法の上限内で貸し付けている会社が一杯あった。これがグレーゾーン金利である。

更に出資法の金利はどんどん改訂されてきていて、昔は凄く高かった。
1991年以前は年利54%という金利が出資法で認められていて、その後の規制強化で40%→29%→20%と引き下げられてきた。

このため、2010年以前は利息制限法の年利15~20%を超える高金利での貸し付けというのが行われていたという訳だ。

なので、2010年以前にこのグレーゾーン金利で返済をしていた人は、利息制限法の上限を超えた利息を払っているので、それを返してもらうことができる。これを過払い金請求という訳だ。

・・・

と、いうことは・・・

  • 2010年以降に新たに「過払い金」が発生する余地はない

つまり、限りがある商売だということだ。


過払い金CMで良く聞いたのは

・ミネルヴァ法律事務所
・アディーレ法律事務所
・ベリーベスト法律事務所

この3つだと思う。

まず、ミネルヴァ法律事務所は倒産した。
なんと回収した過払い金を、依頼人に返さずに使い込んでいたことが発覚。その額30億円。
弁護士会は弁護士への信頼を損なったと激怒。

次にアディーレは景品表示法違反で業務停止処分を食らっておとなしくなった。
ラジオで今だけ限定で手数料無料とか、今すぐに相談を煽るような広告でやり過ぎてしまい、景品表示法に違反していると判断されて、1カ月の業務邸処分を食らった。

ベリーベスト法律事務所はそういえばアディーレ法律事務所とケンカしてた。

というわけで、いつの間にか「大・過払い金時代」は終焉を迎えつつあって、一時期ラジオCMを席巻したイケイケ法律事務所は大人しくなっていたようだ。

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