プッシュスタートの車が増えていますが、そのステアリングロック機構の寿命到達による修理事例の記事を読んでなるほどなぁと思いつつ、そういえば・・・と思ったことがあったので書いときます。
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/f636d187e975f2672ab2f30ffb801a63?fm=rss
↑の記事では、プッシュスタート式のワゴンRでエンジンの始動不良があって、原因はステアリングロックだったという話で、ステアリングロックとは何か、どう調べたのか、部品は実際に何がどう壊れているかを分析したもので、とても参考になります。
そこで思い出したのが、ステアリングロックって結構知らない人が居るんじゃないかなってこと。
普段意識しないけど、自動車のハンドルは鍵が掛かるようになっているんですよね。つまり、「ロック解除中じゃないとハンドルは回らないようになっている」んです。この仕組みをステアリングロックって呼ぶんです。
これが、触れる機会が無いから周知されていないと思うんですよね。
だって、普通エンジンを切った状態でステアリングを回そうとしないから、「あ、こんなとこにもロック掛かっとるわ」って意識する機会が無いわけです。
よしんば、なんかの都合で回そうとしても、たぶん私のようなパワステが普通の時代に免許を取った人は、エンジンが止まっているとステアリングが回らない=パワステが無いからかな程度にしか考えないわけです。
で、ステアリングロック機構の話に戻ると、この機構はエンジンキーを解除位置に捻ったときにロックピンが抜けて、ハンドルが回るようになり、鍵を掛けたときにロックピンが差し込まれてハンドルが回らなくなる、そういうメカが入っています。
先のリンク先の例は、最近多い鍵を回すタイプじゃない車の場合は、電動でロックピンを抜き差しするパーツが代わりに付いているって話です。その部品もロックのたびに動くから相当な回数作動するので、消耗して故障するし、故障したらしたで、エンジンがかからないという現象で発現する(ステアリングロックが掛かったまま発進できると危ないから、ロックが解除できないとエンジンが掛からないようになっているんでしょうな)から、分かりにくいよってこと。なるほどねって。
で、話は昔のように鍵を回すタイプの車に戻るんですが、このステアリングロック機構を知らないと、焦る場合があるんですよね。
というのも、ハンドルを切った状態でキーを抜いた場合など、ハンドルが回ろうとするのをステアリングロックで抑えているような状態になったとき、エンジンを掛けようとキーを差し込んでも回せないときがあるんですよ。
鍵がおかしい、エンジンがかからない、何か壊れた!?とパニックになるわけです。
これは先のステアリングロックピンが抜けにくくなる為に生じる現象です。ステアリングロックピンは強い力で抜くような構造になっていないので、ハンドルを回そうとする力でピンが押し付けられた状態になって、動きが渋くなっていると、ピンが引き抜けない場合があるのです。ピンの動きとキーの回転はリンクしているので、ピンが固定されると鍵が回せません。
このため、車の説明書をちゃんと読むと「キーが回らないときは、ハンドルを左右にゆすりながら回してみること」と書いてあるんですよね。
特に私が前乗っていた車なんか、20年落ちとかで古くなってしまったのか、別にハンドルを切っているわけでもなさそうなのに、キーが回らないときがありました・・・。きっと、ステアリングロックピンの滑りが悪くなって、ちょっとでも位置関係が悪いと引っかかるんでしょうね。もちろん、ハンドルを軽くゆするとキーが回せたんで、慣れれば大したことじゃないんですけどね。
そこまで行かない車の場合はまた別に注意です。
大抵、ステアリングロックが掛かるのって、例えば急傾斜に留めてハンドルを一杯に切って停めたとか、何かこう、非定常な止め方をしたときです。つまり他のことに気を取られているので、キーが回らないとき、一瞬焦ります。分かっていても。
今乗っている車はプッシュスタートなので、そういうの意識する機会は少ないのですが・・・でも覚えておかないと、何かの時焦りそうだなぁなどと思い出したことでした。
(嫁さん号なんかはキーシリンダが付いているので、たまに「キーが回らない。壊れた?」ってあります。いやマジで。)