先の投稿でも触れたけれど、「税金が高すぎるから貧しいんだ!消費税撤廃!」って言うけど、オイオイそりゃねーだろと思う。挙句の果てにはとんでもない蔑称を考えたものだ。
確かに消費税は高いと言えば高いのだが・・・例えば以下は私の月給の引き去り項目だ。
このうち税金は
- 雇用保険料:¥4,290
- 厚生年金保険料:¥53,985
- 健康保険料:¥21,122
- 所得税:¥55,480
- 住民税:¥39,500
ほどだ。たぶん、サラリーマンならみんなこのくらいだろう。
ちなみに全部足すと¥174,377だ。
正確には、保険料と年金関係は税金では無いのだが、後で解説する通り社会保障費が税金で支出されている都合上、実質税金と考えてよい物である。
(昭和末期くらいまでは年金は別会計で積立金だったので、税金ではなく貯蓄的なものだったけど、いまは年金は積立制ではないので、私がいくらもらえるかは子孫次第なのだ。)
ちなみに、うちの一カ月の支出は30万円くらい。
比率はこんな感じで、その他の13万円は積立・投資だから、実際に消費するのは17万円くらい。
と、考えると更に消費税を¥17,000ほど払っている。
だから、自分が消費するのは¥163,000で、消費税と先の税金を合計すると¥191,377納めている。
というか、消費分は二人分だけど、税金は妻も働いているから実際にはもっと税金を納めている。(妻の税金は私の1/4くらいだ。累進性なので額面以上に差が付く)
というわけで、使う分より納める分の方が多いのだ。
・・・ああ搾取
という訳ではない。使う分と、納める分の2択のような表現をしているが、実際には更に使わずにホッタラカシ(貯金)の分の3択だから。
しかし脱線するが、「年金だけだと暮らしていけない」っていうけど、一体何喰って、どこでどんな贅沢したら月17万円で足りなくなるんだ?
うちの生活なんて月々2万4千円のテニススクールに行って、車は2台、スマホも普通に大手キャリアで無制限、クーラーなんか殆どつけっぱなしっていう、それなり贅沢な生活していてコレだぞ。
というのは置いておいて、これは子供が居ないし、私がライフステージ的にお金が掛からない時期にあるからってだけで、やっぱり今の重税だときついというのも分からんでもない。
でも消費税なくせっていうのは短慮過ぎないかなと思う。
ちょっと前のデータになるけど、消費税ってだいたい年間20兆円くらいの税収になるらしい。
これは公債、つまり借り入れを除いた収入が57兆円だから、それの1/3ってことだ。
仮に消費税を無くすってことは、歳入を2/3にしますよってこと。すると、他の増税で穴埋めするか、歳出を減らすしかない。
増税することは置いておいて、まず歳出を減らす方から考えよう。
ちょっと年度がぐちゃぐちゃで申し訳ないのだが、令和5年の歳出内訳が
でしょ?こっから20兆円削るってどこを削る?
公共事業+文教科学振興費+防衛関係費を全部削るとだいたい20兆円にはなる。
でもそんなんダメだろ。これ未来のための費用だから、もう日本終了しますって言うようなもんだ。
じゃあ「その他」削れば?ちょっと足りないけど。
その他って、物価対策費だとか、エネルギー対策費だとか、みんな大好きの中小企業を支える費用とか、要は「弱者・貧困を無くせ!もっと補助しろ!補助!」っていう人たちへの分配なのよね。
その他のその他には、みんな大好きの「アホ議員」にかかる経費も含まれていて、国会を1年運用するのにかかる経費や議員報酬を全部足したものでちょうど1,000億円になる。が、逆にいうと国会をその辺の空き地で無報酬でやるように変更しても、0.1兆円しか浮かない。いや、0.1兆円は大変な額だけど、国民の人数で頭割りすると大した削減にはならん。
と、なるともう地方交付税を無くすか、社会保険関係費を半分にするしかないわけですよ。
まず、地方交付税ってのは、地方に分配されている税金で、県の財政を支えているもの。
地方交付税がその県の予算のどれくらいの割合になるかは県によって違って、どっかにランキングがあったと思うんだけど見つからない・・・
似たようなものに自主財源比ランキングというのがあるので、引用しておく。
これによると、自主財源比が高いのは83%で東京都、2番目が72%で愛知県、以下神奈川県、千葉県、埼玉県・・・と続く。
逆にひどいところになると、最悪が36%の高知県、38%の島根県、40%の鹿児島県・・・と続き、自主財源費が50%を超えている件は47都道府県中25県しかないのだ。
自主財源比の分母には地方債も入ってくるから、地方交付税の割合は自主財源比と直接相関しないのだけれども、過疎自治体において依存度が超強い予算である。
私自身はハッキリ言って過疎自治体には縮小すべきだと思っているが・・・たぶん、消費税なくせの人は、地方を守れ層と被っているだろうから、これは無しじゃないかと思う。でも減税するうえで有効な唯一の選択肢の一つだと思う。足りないけど。
じゃあ、36兆円の社会保障費を20兆円分削るかってことになる。
この36兆円ってどこに行くのって言うと、年金+医療費+福祉その他の一部になっている。
つまり、年金+医療費+福祉で126兆円かかっている所を、106兆円にすればいいということだ。
これはまだいけそうな気がしてくる。
でもいいかえると、年金を2/3にするか、医療費を1/2にするってこと。
医療費を1/2ってのは要は病院の窓口自己負担利を倍にするってことだな。
私の周りを見る限りは年金が2/3になっても生活できそうだし、医療費の自己負担が倍になったからと言って治療を受けられなくなる人は居なさそうだ。
とはいえだ、そうじゃない人だって多いから、消費税ガーって騒いでんだろう?
結局、弱者ガー、貧困ガーと言えば言うほど、税金は要るのである。
税金を安くしようと思ったら、地方か高齢者か病気の人か障害者を切るしかない。
でもそれはダメだ。人道的に。だから無理。
え?年金保険料を増やせばいいじゃないって?そりゃそうなんだけど、それマジで言う?
自分たちが楽をするために、現役に今以上払い込めって言うわけ?おれ年とったらそんな恥ずかしいこと言えねえよ。ただ、実際のところは今のところこれで動いているようだ。
じゃあ歳出は減らさず、消費税の撤廃を別の増税でカバーするしかないよねってことになる。
もう一回この図を見てほしいが、まとまった財源って源泉所得税か法人税しかない。
源泉所得税を2倍以上にするのは無茶やろ。
いまですら所得税24万円/月も取られているのに、これが48万円/月になるつったら、こりゃ大事ですわ。
まぁ、それでも私は国のためだと思って働くけどね。でも、みんなはそうじゃないでしょう?
じゃあ法人税を3倍にしますか?法人税っていま23%だけど、69%にする?
それも無茶だろ・・・。
つまり、いま一番消費税に支えられているのは、年金暮らしだとか、地方に住んでますとか、中小企業ですとか、要はサポートが無いと暮らしがしんどい層なわけ。
昔は貧困層・弱者みたいなのが少なかったから、消費税が無くても回った。逆にいえば、消費税ってそういう貧困層への対策費をどうとるかで困って作られたものだ。そもそも。
テレビとか新聞は、高齢者や弱者に忖度すると売れるから、議員の無駄遣いがどうだとか、ODAが無駄遣いだとか、公共工事がクソだとか並べ立てるけど、数字で見たときそれは支配的じゃないだろう。(無駄が多いのは間違いなく、それはまた別に問題だけど・・・)
果てには陰謀だとか大企業の内部留保だとか、自分に都合が良いような訳の分からん陰謀論にコロリと乗る。貧しいのは周りのせいだって思いこみたいんだろうけれど、一部は自分に責任があるんじゃないのかってことだ・・・。(とはいえ、やっぱり生まれ持った運もあるから、全部自己責任というのは違うと私も思うが・・・)
だから、税金は高い。消費税も嫌だってのはホント同感だけど、どうしようもないのよ。
訳の分からん政党を祭り上げたって、1円も生まないし、百害あって一利なしとはまさにこのこと。
日々節制し精進するしかないわけよ。