三連休に急に徳島に出張になった。
東京から徳島だと、微妙に交通の便が悪いので飛行機の国内線を使う。そして私はANA派。
午前中の便で移動したかったのだが、ANAは午前中の便が満席。
JALは若干遅いが空席があった。新幹線で新神戸→レンタカーで淡路島を縦断という手もあったのだが、連休の高速では嫌な思いをしそうなので、JALに乗ることにした。
で、羽田に付いたら激混み。
とりあえず荷物を預けてラウンジでゆっくりしようと、手荷物預けにいったら預入マシーンになっててホッとした。少し前までJALはカウンターで、これがまた混雑したのだ。
とはいえ、自動とは思えない酷い込み具合である。
なんでだ?ANAの自動手荷物預入マシーンなんかいつもスカスカだぞ?連休でも。
どうもいろいろ設計が滑っているみたいだ・・・
まず、手荷物タグ発行マシンがイカン。ANAは手荷物預入マシンが手荷物タグ発行マシンを兼ねていて、チェックイン機は別にある。
ところがJALはチェックイン機+手荷物タグ発行マシンで、手荷物預入マシンが別なのだ。
一見するとこれはJALのほうが合理的に思える。手荷物預入マシンは高価だろうし、配置の制約があるから、数を増やすのは難しい。同時に捌く人数を最大化しようとしたら、手荷物預入マシンでやらなくても良い作業を分離するのが良い。つまり、手荷物タグ発行作業だ。
実際、手荷物預入マシン1台に対して、チェックイン機+手荷物タグ発行マシンは3台ずつ配置してあった。
ところがだ、まずイマイチだったのはチェックイン機+手荷物タグ発行マシンの導線。
床に微妙に3台に付き1列のくし形整列をするように書いてあるのに、さりげなさ過ぎる。
おかげで、空いたところを横からさっと来た若者の集団に割り込まれてしまった。まず不愉快である。
更に、このアホどもはあーでもないこーでもないを始める。残りの2台も似たような感じである。
さすがに画面をのぞき込むわけには行かないので、どういう操作でつまずいていたのか分からないが、何回か最初からやり直していたようだ。
他にもタグの発行枚数は何枚ですかなどと聞かれるので、「えっと~」などと数え始める始末である。
このご時世にオンラインチェックインをしてこない客に、チェックイン機をスムーズに使いこなせるリテラシーを期待しているところが誤算なのだ・・・。とはいえ、チェックイン機を別にすれば解決する問題かと言うとそうでもなく、チェックインする客からすれば、チェックイン機→手荷物タグ発行機→手荷物預入マシンと3台も機械を操作するなど冗長である。
そう考えると、一見無駄のあるようなANAのデザインが、まわりまわって合理的なのだったのか・・・と思う。
やっとのことで手荷物タグを発行すると(私の操作なんて30秒くらいだったのに、どれだけ待たされたか)、空いている手荷物預入マシンに荷物を入れて、若干分かりにくいUIを察しながら操作をすると・・・
ベルトコンベヤで無事荷物が搬送されて・・・いかない!?
見えにくいが、ベルトコンベヤが手前遠くで分かれていて、乗り継ぎが生じている。ここの乗り継ぎでちょっと滑ってガタンとなって止まった。なんだこりゃ。
ANAの預入機はカラクリ屋敷のように後ろにバタンと倒れる方式だったので、上部分が構造上どうしても低くなるから、ちょっと出し入れしにくかった。JALの預入機はこの辺がオープンになっているから造りは良いな・・・と思った矢先である。
そうか・・・開口部を閉鎖しないから、人が入ったり荷物が倒れて、周辺設備や人に引っかかったりするリスクがある。だから、衝撃センサか何かでリスクを担保しているのだな・・・
コンベヤの乗り継ぎも弱点である。
乗り継ぎ部というのは本来危険なのだ。この小さいコンベヤなら大したことないだろうが、私が扱うような大きいコンベヤだと、ココにモノや人が挟まる。普通に毎年何人も亡くなっている。
だが、荷物を載せるところは水平にしたい、でも先のコンベヤの都合で傾斜をつけざるを得なかったのだろう・・・曲がっているコンベヤも作れるのだが、外側にローラーが必要になるから、スカート部(コンベヤの外側の部分)がゴツくなる。こんなにタイトなスカートにはできないから、荷物の出し入れ上不利になるだろうな・・・。
そして、「係員を呼んでください」のまま全く動かなくなってしまった預入機と私の荷物。
落ち着いて考えると、荷物を取り出して別の預入機を使って預けちゃえばよかったのかも。
ところが、これなんとかしないとなーと係員を探し始めた・・・が、居ない。
やっと見つけた係員に声を掛けると、対応中なので少々お待ちください・・・と消え5分、10分が過ぎる。結局、別の係員が暇そうに通りかかったので声をかけて対応してもらった。
と、いうわけで、JALになった時点でなんか嫌な予感がしていたので、羽田には出発の2時間前に着くように出てきていた。なのでまぁ困らなかったのだが、ダメだねやっぱり。
なーんでこんなイマイチなシステムになっちゃったんだ?と経緯を調べたんだが・・・
まずJALの機械は2022年に日本のダイフクが開発して納入したものらしい。超大手じゃねーか。
一方でALAの機械は2015年にオランダのscrabee社から購入したものらしい。
scrabee社は100人ちょいの中小企業で2019年にダイフクが買収していたようだ。
ということは、やっぱりJALの預入機のほうが新型で、発展改良型であったはずだったのだな・・・
そういわれてみると、ANAのマシンのほうがオシャレで割り切った設計に見えてくる。海外製っぽい。
JALのマシンは悪く言えば日本製の悪いところが丸っと見えているという風に感じる。なんか家電みたいだし。志の高さは分かるんだけど、モノが追い付いていないというか。
ま、でも正直なところJALの預入機の設計は分かる・・・自分もこうしちゃうかな。
ANAの機械はコンパクトだし、近未来的なシャッターや、L字の荷室が後ろにバタンと倒れるギミックとか、凄く面白いし良いマシンだ。
その反面、老朽化したときのメンテナンスや修理が若干不安である。また、聞いたことが無いけど、リスクアセスするならぱっと思いつくだけでも、シャッターに紐が絡まるとか、何か挟まる・巻き込まれるとか、摩耗・潤滑不良で異音/摺動不良が出ないかとか、子供が押しても壊れない強度があるのか、など結構リスキーな構造だ。
また、後ろにバタンと倒れるギミックは乗り継ぎコンベヤを生じないとか、利点がある反面、例えばトレイに載せた状態でものを預けることができない。日本では手土産などを梱包なしに預けることが多いから、トレイが使えないのは懸念点の一つだったのだろう。
まー敢えて言うなら、異常が発生したときに素早く対応できる体制が無いのが問題か。
結局、声を掛けた人も「どこですか」から始まった。控室に預入機のステータスを表示して、エラーが出ている旨をアラートする仕組みを作るとか・・・あとは本体の内側が赤に光るだけじゃなく、タワーライトをつけて遠くからだな・・・
タワーライトなんか付けたら、益々日本っぽいダサさが増すか。なかなか難しいものだ。