ツーバイフォー木工の奨め1/メタルラック道

こんにちは。

私はモノを捨てるのが苦手です。従って、学生時代より「いかにうまく保管するか」を常に考えてきました。一時はメタルラックに傾注していましたが、最終的にツーバイフォー木工に落ち着きました。巷のツーバイフォーDIYやタダの木工と多少違いますので、何回かに分けて自論を展開したいと思います。


はじめに

机・本棚・収納棚、この三つはインドア派の重要なアイテムであることは異論無いでしょう。持っている人も多いでしょうし、これから入手しようとしているか方も多いと思います。また、既に持っていても、複数必要若しくは欲しいという場合もあると思います。

そんな中、一般的には買うことが多いと思いますが、底で敢えて私は「作る」という提案をしたいと思います。そして「作る」と言っても、高度な技能や専門技術が必要な木工ではなく、メタルラックのように部品を買ってきて「組み立てる」でもない、独自のツーバイフォー木工を紹介したいと思います。

なぜ作るか

さて、なぜ机・本棚・収納棚を作るのか?というと、基本的には既製品ではカバーしきれないからです。逆に言えば、既製品で本当に丁度いいのがあれば、それを買うのに越したことはありません。

カバーしきれないというのは、サイズ・機能・コストです。

サイズ・ピッタリサイズを探すのが大変。
・市販品は倒れにくい寸法しかない。
(薄い棚は背が低いし、高い棚は奥行きが深い)
機能・複雑な形状の棚は少ない。
(2段目は奥行きが浅いとか、段違い棚とか)
・例えば下半分が机状で上側が本棚状といった家具も限られる
価格・上記2点を満たす家具もセミオーダーならあるし
 フルオーダーやリフォームで建付すれば問題ない。
・しかし、そこまですると金額が莫大なものに・・・

結局、この3者をバランスよく何とかしようと思うと、作るしかないんです。

最初はメタルラック派でした。

さて作るといえばメタルラックか、イレクターパイプ或いは木工だと思います。この中で工具が要らない最もオシャレなのがメタルラックだと思います。

実は私はメタルラック派でした。3度目の引越までは。
なんだかんだの10年間のメタルラック道で、ルミナスを中心に20万円近く買いました・・・。

メタルラックの良いところは、柱・棚板・パーツを自由に組み合わせて、好きな棚を作れるところです。

柱はいろんな長さがあるのに加えて、天井に突っ張るタイプの柱が使えるのがポイントです。背が高い収納を奥行き浅めで作っても倒壊する恐れがありません。

更にパーツが豊富で、棚の横から物が落っこちないようにストッパー的な物や、中間にブックエンド状のバーを付ける部品、柱の途中にフックを追加するパーツなどなど、いろんなものがありました。

中間につけるテーブルとか

中間につけるフックとか

これまだどこかに仕舞ってたな・・・

一見、メタルラックでは難しそうな形状も、パーツを組み合わせることでなんとか作れてしまうため、これは素晴らしいものだと色々やっておりました。

メタルラックを使いまくって分かった欠点

メタルラックには決定的な欠点がありました・・・それはパーツの使いまわしが難しいということです。

え?好きに組み合わせられるのに、使いまわせないわけないじゃん と思うでしょう。合わないとかそういう問題じゃないんですよ。用途が無くなるということです。

メタルラックの大は小を兼ねない

例えば、幅90cm×奥行46cmの5段のラックを使っていて、用途の変化で1段減らすじゃないですか。この減らした棚板をどうするかってことなんです。

勿論、足を4本と、棚板を更に買い足して、幅90cm×奥行46cmの2個目のラックを作るのに使えばいいんです。そういうことができるのが、メタルラックの良いところなんです。

ところが、部屋のスペース上、幅60cmの棚が欲しいときは??そう、大は小を兼ねないのです。ただの板だったら、切って使えばいいですが、メタルラックはそういう訳に行きません。

この使わない棚板も簡単に捨てられません。だって、90cm×46cmの棚板なんて一枚4000円位するし、そのままでは不燃ごみにも出せません。カットするのも相当ヘヴィーな工具が必要です。

だから、使わないけど保管しておくしかありません・・・。しかし、地味に嵩張るんですよ。4隅のジョイント部分の厚さが5cmくらいありますからね。

そこで未経験な方はこう思うでしょう。「小さいのを組み合わせて使えばいいじゃない」と。少なくとも当時の私はそう考えました。

当時のメタルラックは幅46cm/61cm/91cm/120cmとあったので、46cmと61cmを組み合わせて使おう。そう考えたわけです。(いまは76cmと107cmもあるようです。)

当時の私は46cmと61cmを組み合わせれば・・・ほら、ほぼ10cm刻みで対応できる。だから完璧!とほくそ笑んだわけです。

で、しばらくはこれで満足でした。

しかし、なぜか増える使わない棚。だんだん、これはダメなんじゃないかという気がしてきました。

まず、どう頑張っても46cmと61cmの棚板に互換性はないわけです。90cmに比べると格段に余りにくくなりましたが、余らないわけじゃないんですね。

更に、それじゃ46cmと61cmを組み合わせて使えば、91cmの棚板を処分するか?というとなかなかできません。買ったのにもったいないという訳じゃなくて、机とかカウンターとして使うには最低90cmは必要なんですよ。

そうすると、結局46cmと61cmと91cmの3種類使うことになって、常にどれかが余ってるわけです。

小は大も兼ねて無かった

更に、足が増えれば増えるほど、収納のエリアが減っていきます・・・しかしまぁ、足の太さなんて25mmしかないので、計算に入れる必要はない・・・と最初は考えてたんです。

でも、例えば46cm幅の棚を2個並べた場合、置くために必要な幅は92cmです。

このうち足4本で10cmが使えない(足と足の間にモノはおけるが、出し入れできないのでカウントしない)ので、なんと10%以上使えないんですよ。えっ?ちょっとなぁ…と思いませんか?

そして追い打ちをかけるのが、足は壁や隣のラックにピッタリ付けて置けないということです。
天井ツッパリを使う場合は、ツッパリ部分の直径がφ70程なので、その分隙間が空きます。仮にツッパリを諦めて台座(下端がポールの太さだけでは不安定なので、床めり込み防止を兼ねて、安定のため付ける金属の部品がある)を付けたとしてもφ40程になり、結局ピッタリ付けられません。

更に、棚には足の通る筒の厚みがあるので、46cmの棚の内寸は38.5cm(カタログ調べ)しかないのです。

そなると、壁面スペースは106cm使いますが、モノが仕舞える幅は77cmしかないんです。そう、たったの7割しか実収納に使えないんです・・・

だから、分割が増えれば増えるほど収納効率は悪化していくんです。クソ当たり前のことですが、最初に考えていたより影響が大きかったんです。

簡単に組み換えできるはずが

前述の通り、分割が多くなったら、次はこう考えたわけです。

真ん中の柱を共通にしたらいいんだ。
①隙間が無くなるので収納効率が上がる。
②足が余るので、例えば前例の4組(8本足)なら下図のように組めて経済的。
横2列分に限って計算しても、収納幅が77cmに対して占有幅が99で仕舞える領域は78%に向上、3列分だと83%になります。

まぁ、隣り合った棚を同じ高さにできないという制約が生じますが、代わりに本を置いたりするときに落下留めになったりと悪くは無いと。そう考えたわけです。

ところが、これをやってしまうと著しく組み換え性が落ちるのです・・・

例えば、この真ん中に背の低いものを入れているので、一段増やしたいと考えるわけじゃないですか。

いざやろうと思うと、殆どバラバラにしないと、段を増やせないんです。
ポールの上から通していかないといけませんからね。

棚をバラバラにするのも大変だし、それ以上に大変なのが既に収納されているものをどかすってことです。ワンルームに住んでいると、どける場所なんてベットの上くらいしかないし、ほんと一日仕事です。

メタルラック収納を極めれば極めるほど、分解組立がきつい棚が仕上がっていく・・・とメタルラック沼に落ちてしまうのです・・・。

そしてさらに増えていく棚板沼

当時、そんな私のような人が多かったのか・・・アディショナル棚板 という棚板が発売されました。

この棚板は画期的で、足を通す部分が分割式でCの字になっており、棚の中間に着けられるんです。

前述の例でもバラバラにせず、パッと付けられます。超画期的!
(実際は、アディショナル棚板の追加は無制限に簡単という訳では無いです。は内寸が38cmにしかないところに、46cm幅の棚板を突っ込むわけですから、斜めにして入れます。だから、増設したい段のすぐ上に別の段が当たると干渉して付けられません。)

(イラストを描いたけど上手く伝わらなさそうなので、公式サイトの写真を取ってきました・・・あれだけ買ったんだから大目に見てくれる・・・だろう。)

これはメタルラック世界の救世主!と思ったんです。

しかし、全部の棚板をアディショナル棚板にはできないのです・・・足を固定する能力が無いので、最低でも上下2枚は通常の棚板である必要があります。更に、スリーブと呼ばれる共通部品も、アディショナル棚板に限っては専用品です。

しかし収納効率も組み換え効率も良くなる救世主に違いない!と思いました。

極めると奥行きも・・・

そして、極めると奥行きも使いにくくなります。標準は46cmですが、少し奥行きが深すぎるんですよね・・・そこで、一部は35.5cmを使うようになりました。

そして、それでも文庫本とかには深すぎるので、今度はハーフシェルフを使い始めました・・・

そして、私の部屋には46cm固定式、61cm固定式、91cm固定式、46cmアディショナル、61cmアディショナル、91cmアディショナル・・・更にハーフラックや奥行違いの異形などが保管されることになり・・・カオスと化しました。

最終的には使わないメタルラックのパーツを保管するラックまで作りました。

メタルラックに凝ってはいけない

そして、私は4度目の引越でメタルラックを殆ど処分しました。もう・・・やめようと。転職を機に心機一転しようと。

引っ越しが長距離になるということもありましたが、メタルラックに疲れたのです。もう、普通のカラーボックスか、ニトリとかで売っている普通の棚を買おう。そう心に決めたのです・・・。

メタルラックはシンプルな4本足なら分解せずに運べます。しかし、複雑な形状のメタルラックは、持ち上げると緩むところが出るので、基本的に分解して運びます。
分解も結構重労働で、バラバラになったラックの梱包も大変なんです・・・しかも重いのなんの。
分解する際の金属が当たり合うガシャガシャという音に、叩かないと抜けない締まったジョイント・・・

そして、引っ越した先の部屋にピッタリ合うか分からない、パーツの使いまわしのむつかしさ・・・最終的に大きいの(幅120cm×高さ180cmの4段)を1個残して全部捨てました。120cmも使ってたんかい!って突っ込みは置いといて・・・。

そういえば、軽トラ借りて捨てに行ったんですが、広島にいたころは軽トラ借りるなんて難しいことじゃなかったですね・・・やっぱり西日本はみんな親切だったなぁ。

メタルラックは基本型でゆとりをもって設置

まとめると、
・メタルラックは基本の形で設置するのが一番。
 (カタログのセット品を多少カスタムして、ポンと置くのが良い)
・凝った収納は作らない。作るのに向いていない。
 (変則的な収納はメンテナンスが大変)
ということです。

特に、私のように引っ越しが多くて、住んでる部屋に余裕がない場合は特にそうです。

逆にメタルラックをフォローすると、一回組んだらもう分解しない・・・というなら、悪くない製品です。特に耐荷重が素晴らしい。
なぜ120cm幅を一組残したのか?というと、このメタルラックの棚板は耐荷重が250kgもあるんです。ラック全体で250kgではなくて、一段に置ける最大荷重が250kgですよ?(ラック全体は段数に関わらず500kgですけど。)

だから、冷蔵庫を乗せたって平気だし、本棚をこの上に乗せたってかまわないわけです。つまり、メタルラックの中に家具を設置するとかも可能かなと。家具を積み重ねる枠として使えるかなと考えたわけです。

この長スパン/耐荷重がメタルラックの強い利点かと。いろいろ使って分かりました・・・


しかし、もうメタルラックは買わないと思いつつ、記事を書くために覗いてみると、いろいろと収納心をくすぐるような製品が出てるんですよねぇ・・・

あと、スライドシェルフとか結構重宝してました・・・DIYをするようになるとわかるのですが、スライドレールって高いんですよね。ベアリングの450mmだと一組¥3000くらいなので、4段作るとレールだけで¥12,000くらいします。
そう考えると、メタルラックは安いんですよね・・・。

そういえば、メタルラックを使うきっかけになったのは、当時よく遊んでくれていた、ぱくたその朴さん家の影響があったんですが、ぱくさんまだメタルラック道を進んでいるのだろうか・・・今度聞いてみます。

http://curo5170.s1008.xrea.com/x/20200430_blog_recommend_4/

え、木工の話どこに行ったって?
はい、次回からちゃんとします・・・

http://curo5170.s1008.xrea.com/x/20200516_2by4-diy-2-my-sample-works/

おしまい

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