ワンタッチウィンカーって・・・

「ワンタッチウインカー」は道交法違反装備だ
http://blog.livedoor.jp/yasunariokabe/archives/6038108.html
を読んで思うところがあったので、書いときます。

外車とか新しい国産車なんかには「ワンタッチウィンカー」っていって、ウィンカーレバーをちょっと倒すと三回点灯機能が付いてます。
普通に使う場合は、カチッと奥まで入れればよい。

冒頭の記事で「違反装備だ」って言っているのは、ウィンカーを三回点灯させるシチュエーションは無いハズだということ。車線変更か右左折でウィンカーを使うわけだけど、どう考えても3回だと足りないから、合図不足で運転することになる・・・というワケ。


かくいう私もポンコツBMWに乗っているので、ワンタッチウィンカーにすごく不満があるんですが・・・まぁ要らない機能が付いている=違反とは違うかなぁという気もします。僕の車300馬力ーバーで280km/hまでメーター切ってあるし、実際260km/hは普通に出たんで、その理屈でいえば違反装備どころか、反社会的勢力装備ですからね。

まぁ、そんな枝葉のことは置いといて、このワンタッチウィンカー・・・マジで使う機会は無いし、無い方が良いといったほうが良いです。

冒頭の記事にもある通り、どう考えても3回の合図で済む場面はない。
もちろん、町中を走っていると1~3ウィンカーで割り込んできたり、下手すると逆ウィンカーで入ってくる凄い車を月に1台は見かけますけど、そんなアホは多くないし、アホのふりをするメリットも無いです。

ググると「ワンタッチを2~3回やったらいいじゃない」的な意見もあるんだけれど、ウィンカーが途中で途切れると怪しいオーラが出てダサいし、2~3回触るんだったら連続にして戻すのに対してメリットが全くない。むしろ、途中で触る必要があるってことは、ハンドル切っている最中に触るってことでしょ?パドルシフトみたいにレバーついてくるわけじゃないし、明らかに操作しにくい。

消し忘れ防止とかいうのは分かるし、時々ウィンカー出したまま走っている車が居たりするけど、それは”ウィンカー消し忘れて危ないから、自動で消してあげればいいよね“とかそういう次元の話じゃなく、早く免許を返して自動車を処分してくださいという話である。


そんな意見なので、私は意図してワンタッチウィンカーを使ったことは無いですね。

ここで“意図して”と称したのはご推察の通り、間違って触ってしまった場合とか、奥まで倒したつもりが入っていなかった時なんですよ。
従って、ハッキリ言って邪魔者以外のなんでもない装備です。


一方目につくのが
「わざわざ付けてんだから、海外では有用な装備。日本は遅れている。」「検討を重ねたうえで付けた装備だろうから、3回で問題ないんだ」とかいう肯定的な意見。

全く同意できないけど、確かになんでこんなもんがついているんだろう?と不思議でならないんですよ。

で、考えたんですが・・・根拠はないんですけど、コレって半端なエンジニアか、セールスマンがやっちゃったやつが、他のメーカーが見て「あっちに付いているから」って真似たものなんじゃないかなぁと思うんです。

ストーリーとしてはまずウィンカーレバーのキャンセラーレス化が発端だと思うんですよ。
“キャンセラーレス化”っていうのが正式な名称か分からないんですが・・・昔の車のウィンカーレバーって、倒すと物理的に倒れた状態になっていて、ハンドルを回したり手で戻したりするとセンター位置に戻っていたでしょう?
昔のウィンカーレバーはレバー自体のスイッチが直接ランプ回路に繋がっている構造で、スイッチが入っている間ウィンカーが点滅する構造だから、倒すとスイッチが入った状態になるようメカ的に保持されているわけです。で、ハンドルを回すと、ハンドルの軸に付いているイボイボがレバーの保持突いてを解除して、レバーがばねで真ん中に戻り、スイッチが切れることでウィンカーが消えていたんです。この戻すメカをキャンセラーっていうんですよ。

昨今の電子化と合理化で、このちょっぴり複雑なキャンセラーメカを辞めようって動きが広まったみたいで、今の車は従来方式のキャンセラーが無いのです。まぁこれをキャンセラーレス化と勝手に呼びます。

ワンタッチウィンカーが付いている車に乗ったことない人は知らないと思いますが、今時の車のウィンカーレバーって倒れた状態にならないんですよ。カチっとなる連続位置まで倒しても、手を離すと中立の位置に戻っちゃうんです。
だからもう単純な信号スイッチになっていて、onを検知したら、制御回路がウィンカー点灯開始して、off条件が整うまで点灯しっぱなしって制御。

エンジニア諸兄なら、あとはハンドルに付いているABSとか用のステアリング角度センサーが一定以上反対に回ったことを検知したらOFF、とすれば良いことは分かると思います。

このようにすれば、倒した方向に機械的に保持される複雑なレバーも要らないし、それを解除するキャンセラーだって不要になり、キャンセラーレスにできます。

ここで、「ウィンカーを手動でOFFにしたい場合どうすんの?」って話があります。従来のウィンカーレバーだったら、倒れているものを中央に戻せばよいわけです。
ところが、キャンセラーレスのレバーは既に真ん中に戻っているから、同じようにしてキャンセル操作を受け付けることができません。

いろいろ方法あると思いますが、既存ユーザーが違和感を覚えにくい方法としては、「反対に倒す」だと思うんですよね。
反対にカチっとなるところまで倒すでも良かったんだろうけれど、従来のウィンカーレバーでウィンカーを解除する場合は、反対側に押し込むというよりも、保持を解除するというか、チョンと押す程度の気持ちだと思います。

だから、同じような操作感にしようということで、カチッの手前にキャンセル用のチョン押し検知の接点を追加したレバーが今の形になったんだと思うんですよ。

つまり、ワンタッチウィンカー用のスイッチは、本来ウィンカー手動キャンセル用のスイッチだったんだと思います。

ところがUIとかパッケージ全体のことが理解できていないアホな誰かが、「ここにスイッチがあるってことは、チョン押でウィンカーを付ける機能とか作れるやん!マジ天才。便利やろ!」ってワンタッチウィンカーを作ったんじゃないでしょうか。

自分もいろんな製品を作ってきたけど、そういうクソみたいなノリで、考えに考えてこういうハード構成+機能にしたのに、「えっ?それおかしくない?ノリでつけんのその機能?よく検討・・・」みたいなことがあるんですよね。マジで億単位の製品でも。

分かんないけど、きっとそんなノリで生まれた機能なんじゃないかな…どう考えても3回使う場面無いし。まぁ、妄想かもしれませんが・・・

しかし、ワンタッチウィンカー云々は置いといて、そもそもみんなウィンカー直前過ぎんか・・・。


ちなみに、私のつたない英語力で英語圏を探してみたけど・・・

  • ワンタッチウィンカーは英語圏ではthree-blink turn signalみたいな名称で呼ばれていることが多いみたい
  • 「3回じゃどう考えても足りねーだろ。5回にしてくれ」が5割くらい、「3回で十分じゃウスノロ」が1割くらい、「場合によるけど7回くらいがちょうどいいんじゃねーか?」が3割くらい
  • 概ね日本と同様な雰囲気だけど、全否定/全肯定じゃなく、5か7にしてくれ/できねーのかって、なんというか前向き?な意見が多いところが面白いなぁと思った。

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