とりあえず現状は会社の借り上げ社宅・・・つまり賃貸マンションに住んでいる。
ファミリー向けのマンションなので2LDKで70平米ほど。特に気に入っているのはLDKが16畳くらいでだだっ広く、広々としているところだ。
駅にも徒歩三分くらいで行けるし、会社にも近い。
ただまぁ、あと数年で借り上げが終了して、全額自腹で賃貸になる。
なので住む場所について少し考えねばならないなと思っていたことがきっかけである。
わざわざ家を買う必要は無いと考えていた
実は私の場合は妻の実家が車で30分くらいのところにあるので、将来的には実家を頂戴してそこから通うという選択肢がある。
私の持論であるが、経済的お得さを追求するのであれば、賃貸マンション一択だと思っている。
賃貸マンションでは子供が生まれたときに音に苦労するだとか、老後に貸してもらえなくなるだとか、いくつか不安要素があって一生住むことは難しいかもしれないが、将来的に土地が手に入る見込みがあるのならば、わざわざいま買う必要も無いか・・・と、考えていた。
でも家は欲しかった
とはいえ、今の賃貸マンションにはいくつか不満があった。
- 自分の出す物音に気を付けないといけない。
→ものを落っことしたり、大きな音を立てると、妻に「下の人びっくりしたよ」「下の人ごめんなさい」と嫌味を言われる。音を出したのは不本意なので、不愉快である。
ただ、これはもともとマンション暮らしをしたことが無い妻へ私が言っていた嫌味で、ブーメランである。更に元をたどると私の母の言い草である。 - 上の部屋の音が意外と不快
→土日とかにくつろいでいると、唐突にドカーン!ドダダダダダッと音がする。
音量自体は大したことは無い。上からの騒音で耳が痛くなったりしたことは無いし、例えばテレビの音が聞き取れなかったりするようなこともない。
ただ、突然前触れもなく音がするし、コントロールできない騒音というのは意外と不快なものだ。 - 駐車場が遠い
→当たり前だが、車から玄関まで結構距離がある。大きな買い物をしたりすると面倒。
しかも駐車場からマンションのエントランスまで通路が無くて、公道を通らなくてはならない。
落ち着いて考えたらどうなんだろうなこれという気もする。 - DIYがやりにくい
→マンションは騒音NGであるからにして、原則としてはDIYはダメである。
ただ、音がしないように工夫してやってる。
でも音がしないようにしようとするとできることが限られるし、大きな材料を運んだりもエレベータ経由だと大変だ。エレベータの扉って高さが2Mくらいしかない。木材の定尺って6尺=182cmだから、普通に持って乗るとぶつける。それに駐車場も遠いし。 - 車のメンテができない
→タイヤ交換一つとっても大変だし、洗車もできない。洗車どころか車内清掃ですら憚られる。
隣の車が寄ってたりするとストレスになるし、出るタイミングが被ったりする。 - 家の設備が古くても何もできない
→窓は単板ガラスのアルミサッシだし、ドアも古い。スイッチもIoT対応のものに変えたりできない。賃貸だからとにかく何もできない。
ただまぁ、我慢すればいいことだし、お義父さんも高齢だ。妻の実家も10~20年後には空家になるだろうから、それまでの辛抱だ。そのために何千万円も使うことは無い・・・そう考えていた。
心境の変化
ただまぁ、いろいろあって考えが少し変わった。
私も30代後半になったのだが、これまで時間に限りがあるということを理解していなかった。
もちろん、自分自身も歳を取って死ぬ。時間は有限だという理屈は分かっていた。
でもなんというか、実態として理解していなかったと言ったらよいのだろうか。
まず、事故まとめでも触れた通り、初めて交通事故にあった。青信号で直進してたら、対向車が右折してきてぶつかった事故である。
この事故はお互い速度が低かったし、私も回避して正面衝突は避けられたから、命の危険もなかった。
とはいえ、仮にこれがスピードの乗る幹線道路で、相手がダンプだったり、あるいは流行りのSUVだったりしたら、死んでいてもおかしくない。つまり、誰かのホンのちょっとしたミスで、私は死ぬのだと。
それに、数年前に義母が亡くなった。あっという間だった。
私も祖父母は既に全員没しているので、人は死ぬのだと良くわかっている。婚活を始めたのもその辺がきっかけだったし。
とはいえ、両親は健在であったので、親世代が亡くなったのは衝撃だった。義理とはいえ、住居が近かったので頻繁に立ち寄っていて、遠方に住んでいた実の両親よりある意味で身近な親戚だった。
私ももうすぐ40代だが、40代から健康診断の項目が増える。
これはそれだけ病気になりやすい歳だからだ。がん保険なども30代では格安だが、これは基本的に人間の体は30年くらいは平気ないようにできているからで、裏を返すと40歳あたりから寿命を迎える人間が出てくるということだ。
そういう風に考えると、私はあと40~50年くらい生きられるかもしれないが、一方であと数年で死んでもおかしくないのだ。
仮に生きていたとしても、今できることが死ぬ直前までできるとも限らない。
10年後やりたいことができるかどうか、分からないんだよな・・・と、当たり前のことに気づいたりした。
そう考えると、例えば10年我慢すれば2000万円受け取れるというような取引があったとして、以前なら間違いなく10年我慢して2000万受け取るのが賢いと思っていた。
ところが、だんだんそれが本当に得なのかと疑問に思えてきたのだ。
手元にお金がないなら話は別だが、もしかすると2000万円で10年間好きなことをする権利を買った方が得なのではないか・・・?と。
(つづく)